17話 不可能を可能にするマン
最近つけてなかった、そう思いテレビをつける。同期がMCをすることも増えてきたことに喜びを感じていた。そして何よりも嬉しかったのがアスナシオ、売れないピン芸人だったあいつがゲームのトークで笑いをとっていることだった。
だが、もしこれが本当なら。ドクヌマ、アンシェールの町を壊した野郎、その正体なんだとしたら。俺は持っていた写真を握りつぶした。今までの思い出を振り返りながら。
「相馬さん、今日から夏休みなんでよろしくお願いします!」
あれ、日付見間違えたか?
「7月15日だぞ?なんか早くない?」
「まあ、早めに授業全部終わらせましたからね!テストも同様です。」
多分教師もこいつには困ってるだろうな。こいつのせいで早めにテスト作らされてんだから。
「相馬さんは仕事ありますよね?」
一応それなりにはあるが、、、
「いや、この前俺が出た番組で怪我してさ。カンチョーされてオーバーリアクションしすぎて骨折だよ。それで何本かロケが飛んだんだよ。」
俺でもフォローできない地獄の空気が流れる。電話でよかったー。
「まあそう言うことだから、今からはできるぜ!」
俺たちは絹実野にバリアを作りその中でセーブをしたため安全なはずだ。相変わらず地獄みたいな場所だな。
「アンシェールはどこだ?」
俺がそう言うと朝日は草むらを指差す。あそこから音がしたのか?なら見てみるか。
「どうしてお前が、お前ここには来れないんじゃ?」
俺の目の前にはエジソンがいた。複雑な表情をし今にも逃げ出しそうな、そんな感じだ。だが、数秒静寂が起きた後彼は意を決したように大声をあげる。
「この袋を持って、アンシェールと織田信長を倒しに行ってください!」
なんだこれ?明らかにやばいオーラなんだが...しかもちょっとでかい!
「これは潜在能力を引き出す薬です。いつかのために取っておいた代物です。」
「ありがたく貰いましょう!」
「「ヴエェェェェ!!!」」
匂いがキツすぎる!おいおい腐敗してる匂いだぞこれどう言う神経で持ってきたんだこの偉人は!?
「で、でもアンシェールをこの町から出すのはほぼ不可能じゃ?」
確かにそうだ。アンシェールはこの町のNPCにすぎない。普通に考えればここから出すのは不可能だ。
「いいよ。僕はここから出なくて。」
アンシェールが現れる。どこにいたかなんでどうでもいい。
「まあエジソンがいれば発明を使えるし、アンシェールがそう言うならいいんじゃねーか?」
俺はそう言うしかなかった。アンシェールは覚悟を決めているみたいだし。
「いや、アンシェールは来るべきです。だってエジソンはあなたのためにここにきてくれたんですよ?」
朝日はそう言う。だがどう言うことだ?
「はい、アサピさんの言うとおりです。アンシェールにさっきあげた袋を見せてあげてください。」
その中には潜在能力を引き出す薬が三つ。そしてアンシェールの名前が刻まれた機械が入っていた。
「アンシェール、これはメロディアスファイアです。蓄音機から着想を得て作った武器です。君は私より強いし若い。」
「でも僕はこの町から出れないんだよ!!」
静寂を切り裂くように朝日が大声をだし、はしゃぎはじめる。
「いや、いやいや。エジソンが来たっておかしくないですか?そもそもここはバリアがあったんですよ?てことはなんらかの方法で入ってこれた。そしてゲーム内で不可解なことが起こる、って言ったらあの人しかいませんよ!!」
「尼崎薩人?あいつがいればアンシェールはここから出せる!しかも織田信長を殺すと言う目的も一致してる。」
いや、あいつは現実にも悪影響を与える。そうなれば。
「この薬の匂いが現実に来るってこと?それはやばい!?」




