13話 田舎生まれ欧米変化
地獄、想像するだけで痛くなる。しかし現実、架空世界においてもそれを表現することは難しい。しかし、俺がまたそこにはあったのだ。始まりの町、元々はそうだったんだろう。和風な建築で、自然が豊か、痕跡だけが目に入る。その痕跡がより恐ろしさを強める。生々しい血がほんの数日の間でつけられた、そんな事実を。この一軒家の中で思い知らされる。
―――カンッカンッ!―――
金属を打ち付ける音が聞こえる。どこにいるんだ?そう思い辺りを見渡すとすっかり夕焼け模様になっている。俺がこの始まりの町に来た時にはまだ青空だった。どれだけ長い時間ここにいたんだ。誰にも話しかけられなかった、と言うことはもしかして誰も来ていないのか。
「昨日から誰も来てなかったんです。菅笠で来たのはあなたが初めてですよ!」
金髪のイケメンが俺の目の前にいる。だが本当に人間なのか?
「普通不思議ですよね。腕が機械なのって。その通り僕はほぼ機械ですよ!」
自分の心の中が見透かされているみたいだ。
「君はどう言う存在なんだ?」
俺はこの人間がどう言う存在なのか気になった。ただの好奇心だ。
「僕は、アンシェール。エジソンの弟子です!」
「弟子っっ!?まじで!ガチで!君があいつの!?」
驚きしか出ない。こんな地獄のような場所で、機械のような人間しかいないこの場所で、人間のような機械がいることに。そしてそれがエジソンの弟子であることにも。
少し椅子に座り彼と話をすることにした。
「どうして彼の弟子になったんだい?それに君はどうしてここにいるんだ。君がロボだとしても、産まれ地からは遠いこの場所に。」
アンシェールは微笑みを浮かべる。
「そう見えますよね。遠い場所に来た西洋産のロボ。僕はそんなんじゃないですよ。」
頭の中が混乱した。
「どう言うことだよ!ロボじゃないってこと?」
こいつのギャグなのか?なら大喜利で返すか。
「欧人なのには変わりないけどな。」
「相馬さん、意味わかりません。」
「名前聞いてなかったですね...そちらの方は?」
全部受け流された。
今きた朝日にアンシェールとこの場所のことを話す。アンシェールには自己紹介を軽くした。忘れていたわけだはない。
「まあ続きから話しましょう。僕は日本人です。」
「相馬さん、またおかしいやつですね。」
俺は大きく頷いた。だが、アンシェールの表情は本気そのものだった。
「いえ、本当ですよ!!」
朝日と俺は空いた口が塞がらない。
「僕はある場所で生まれました。田舎でしたが自然が豊かで、商業的にも服や武器が多く売れそれなりに豊かでした。そんなある日、僕は体を壊されました。おそらくあなた達のような方だったと思います。そして、それが致命傷となり死にかけになっていました。そんな時に、あの人は来てくれました。エジソンさんです。」
「それでその体に?」
「はい、もう治らないからせめて生きさせてあげよう。そんなあの人は僕の体をロボにして生きさせてくれました。」
「優しいんだな、エジソン。でも金髪にして名前変えたのはわからんけどな。」
俺は素直にそう感じた。
「僕はそう思っています。名前を変えてくれたのも母親が望んだんです。金髪にしたのも。僕が外の世界の人を見てやりたいって言ったのを受け入れてくれた優しい母親です。そして母親の気持ちを理解しエジソンは今の僕を作ってくれました。」
いい話だ。俺と朝日はその話を聞き少し笑みを浮かべた。だがアンシェールは表情を曇らせた。
「でも、エジソンは自分を責めているんです。母親がこうなったのは自分のせいだ、って。」
そう言うと彼は家の中にいるボロボロの人間を指差した。
「驚いたでしょ。僕はこの町、絹実野で生まれたんです。」




