12話 最初であり終わりの町
ラクベルを苦戦しながら倒した俺たち。
「お二人、ラクベルを倒したらあるイベントがありますよ!」
エジソンの言葉を聞きすぐさまメニューを開く。
「スキル解放されてる!ラクベル倒したら一個貰えるのか!今ゲットしたいやつは、」
「ちょっと待ってください。ラクベル倒した時に貰えるスキルが5個あります。その中から一つ、これ以降選ばなかったスキルは貰えない、そう書いてます。」
「じゃあ大剣のスキル肩に乗せた後攻撃力アップと、両手で持ったら軽くなるが併用できないのか!?そんなの意地悪だろ...」
こんな神コンボができないのは厳しいか、、
「じゃあ俺は大声出したら攻撃力アップにするか...」
「それも十分じゃないですか!ねえアサピさん。アサピさんは何を?」
「僕はなんでも矢で。なんでも矢に変化させられるんですって。」
「いい名前だなあ!!こっちの名前見ろよ、ビッグボイスイズジャスティス、だってさあー!」
「「へへっ...」」
苦笑いしかできない二人を見ると申し訳ない。でもこれはおかしい。最大限のコネ使って変えてもらおう。
「じゃあ最初の町行ったら今日は終わりましょう。信長殺すのは1日じゃ厳しいですから。」
そう朝日が言うと、
「私はここで...」
エジソンは具合が悪くなったのか?
「大丈夫か?」
「私はあそこに行く資格はありません!チュートリアルの仕事もありますし。」
「行きましょう...」
朝日がその場を離れる。朝日なりの配慮だろう。俺もその姿をすぐに追いかけた。
「お前らなんか屁でもねえぞ!」
「そうだぞーー!!」
カスヤンキーになりながらザコ敵をやっつける。
「このカエンネズミってのは割と強いな。その割に多いし。クソつまらん!」
そんな愚痴も言いながら敵を倒す。
「相馬さん。これレアドロップじゃ?」
朝日の言う通りレアドロだ。
「普通はカエン歯なのにこれカエンネズ耳、つまらんけどレアドロなんだな。」
その瞬間あることを思いついた。
「あ、そうだ!なんでも矢ってやつで矢にしてくれよ。カエンネズミのレアドロだぞ!こいつの火炎グルマ強いし、期待できるぞ!」
申し訳ない、と朝日が言うが正直嬉しそうな顔をしている。
「お言葉に甘えましょう。」
アチミミの矢
「これですか!すごい強そうです!もう少しで最初の町に着くので使うのはその後にしましょうか。」
俺はその意見に頷き、その場を後にした。
少し歩いただけで空気が一変した。吐き気のする匂い、枯れた葉、モンスターもいない。一言で言うならば掃き溜め。
「嘘だろ、、、こんな場所が最初なんて、、、」
「すいません、少し休みます...」
涙目になっている朝日を見るのは心が痛い。その姿を見て俺だけで少し進むことにした。
大きな家が見える。中に人がいるみたいだ。しかし廃れているためもし扉が開いていなかったら廃屋と勘違いしていただろう。
「あ、すいませーん。プレイヤーですかーー?」
何かを作っているのか?気になりながらも気づいてもらうため大きな声で何度でも叫ぶ。その度に攻撃力が上がっている。
「もう100以上上がってるぞ、、、」
何も反応しない。少し自分の声に期待しすぎたか。そう思いながら近づいていく。
「嘘だろ、、、」
機械を使いながら銃を作っている。そのせいか手からは血が流れている。しかし痛みを感じていないのか?腕が細く、成人男性ならティッシュを破るより弱い力で折れそうだ。どこを見ても食べ物はない。
そして俺はあることに気づいた。
「おい、なんで耳から血が垂れてんだよ!!!」
急に恐ろしくなった。こんな様子じゃ俺の声に気づくはずない。この体じゃ外に出ることはできないだろう。気分を悪くして目線を少し落とした。
「誰が、誰がこの人を、、、、」
腰には尋常じゃないほどの縄が巻かれている。どんなに屈強な輩であろうと出られないほどガチガチだ。
「もしかして!」
他の家を覗く。どこの家も同じように一人がポツンと、くたびれて腕を動かし続けている。
気分を落ち着かせた。縄を外そう、この状況であれば誰もが思うはずだ。なぜ外れていないのだろうか?始まりの町であればどのプレイヤーも通るはずなのに。
しかしそんな思いはすぐに無くなった。
「この血の量...しかも、指が嘘だ、嘘だ、1000本はある。」
ゲームだから。そう思っても恐怖からは逃れられない。それだけでも恐ろしいのに。
このゲームが開始したのは2081年6月21日。俺がプレイしているのは7月8日だ。
それを踏まえて、縄には恐ろしいことが書かれている。
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