↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
5/26

第4話 初依頼で迷子!?でも可愛い子と出会えたのでオッケーです

「えっとぉ……この地図に書いてある分かれ道がたぶんココだから……こっちかぁ…?」


冒険者ギルドを出て早々、ひと気のない森の中で私はピンチを迎えていた。

森の中は背の高い木が多く、ほんのり薄暗かった。

時々鳥の鳴き声も聞こえてきて、なんというか『雰囲気のある森』であった。



地図通りに進んでいたはずなのに……

迷子になりました。。。



前世では◯ーグルマッ◯のおかげで迷わずに行けてたけど……まぁたまに「ここじゃなくね?」って建物の入り口じゃないほうに連れて行かれたりしたこともあったけど…。

あれって精度あげられないわけ?

反対側とか思わんじゃん!

ぐるーっと回ると羽目に……ってそーゆーことじゃない!

案内してくれるマップがないなんて……方向音痴の私はどーすれば!?

最寄り駅から徒歩3分の面接会場にたどり着くのに30分迷った私だよ!?

カミサマ!

チートとは、こーゆー欠点を直してくれるんじゃないんですか!?

『ココはドコ?ワタシはダレ?』になっちゃうよ!?

はぁ~…冒険者になって浮かれてたとはいえ、ちゃんとヴィエラさんにマップの見方とか教えてもらうんだった~…涙


反省しつつ、とりあえず動かなければたどり着かん!の謎の精神から間違っているかもしれない道を進んでいた。


すると…


「……なんかこの大きな岩の後ろが気になる……けど…マップには特にこの後ろに道なんてないし…。あ、よく見れば岩の隙間、歩こうと思えば歩ける細さあるよね?これ。えーー……」


地図には道など示されておらず、初心者、ましてや方向音痴で魔術師(仮)の私は行かないほうが良いのだろう。

しかしなぜかこの気持ちを無視してはいけないような気もしていた。


それに…『やっとなれた冒険者』というデバフがかかった私を止められるわけなんてなかったのだ。

なんかゲームの隠しルートみたいで楽しいしね!



へぇ~こんなところいけるんだ~


なにかあるかもしれないというワクワクした気持ちに従い岩の間を縫うように歩いていく。

そして岩の洞窟を抜けるとーー

そこには様々な花が自生する花畑が目の前に広がっていた。


「わぁー!キレー!!!岩の洞窟があったときは暗いからクモの巣とかあったらどうしようかなって思ってやめるか若干悩んだけど来てよかったわ~!グッジョブ、私!!!」


カラフルな花々はまるでCGで作り出したかのように鮮やかで、疲れも吹き飛ぶほど美しかった。


花畑には前世から馴染みのある花も、初めて見る花も様々混在していた。魔獣とか生き物の気配も感じないので、ホッと一息つくと、次の瞬間、アニメでしか聞かないであろう大音量で音が鳴り響いた。


ぐぅ~~~


「………お腹すいたし、ご飯食べるかな……」


私の他に誰もいないことをマジで願います……


気を取り直して……

私は持ってきたお弁当を取り出し、嬉々としながら頬張ったのだった。


いやー、マジで美味しかった!

30ポムもするから、なんかのお祝いとかでまた買おーっと!

いや、買えますよ?

ワタクシ子爵令嬢ですし、売れっ子作家もやってますから

でも30ポムが大金であるってゆー庶民の感覚は忘れちゃいけない気がするんだよね

人生は何があるか分からないんだから!

気づいたら別の世界に転生することだってあるしね(笑)



さてさて、あっちがなんか気になるし、そろそろ進みますかぁー!

はやくこの気になる気配の正体突き止めて、薬草探さなきゃ

またあの薬飲まなきゃいけなくなる前に…!


容姿を変える薬を今日また飲まなきゃいけないことを避けるため、私は動き出した。

気配を追うため花畑を抜け、人けのない獣道を進んだ。

すると小さな滝がある小さな湖にたどり着いた。

そこでは風に揺れる草の音と滝から流れる水の音しか聞こえなかった。

童話に出てくる湖のようで、とても神秘的だった。

そして体の中に熱い何かが動くような感じがした。

『パワースポット』のような場所なのだろう。


なんか、あの滝から気配を感じる


そう確信している私は、滝へと近づいていった。

ザーザーと流れる水の後ろを覗こうとすると、滝の裏には空洞があったことに気がついた。



怖いなぁ……

こっちの世界もおばけとかって概念あるんだろうか……



見つけた空洞の奥につよい気配を感じ、中へ進むことを決めた私はおばけが出ないことを祈りながら奥へ、奥へと進んでいた。

空洞の最深部らしきところにつくと、小上がりになっている部分に小さな光が灯っていた。


ホタルってあんな光だったよなぁ


そんなことを思いながらその弱々しい光に近づくと、漫画にでてきたような妖精のような生命体だった。

頭はピンクで、ユリの花弁を逆さにしたような体をしていた。


え?なにこれ?

キレイだけど……なんかボロボロ??

水とかやったらいいんか??


花だしなぁと思った私は、自身の飲み物として持っていた水をかけてみた。



しかし……


何も変わらんやん……

えーー?花って水やれば元気になるんじゃないの!?

えぇぇ……。。

前世でも花の世話なんかしたことないんですけどー!

アサガオの観察日記とか幼い時にやったような、すぐ枯らしてできなかったような記憶しか……

……もう少しあげてみる…?

えぇーでもあげすぎたら腐るって聞いたことあるし…


えぇ~…

どうしたら良くなってくれるんだろう……

わからーーん!!!

……うぅ……

もう少しかけてみるか……


「お花さーん、これで元気になってー…!」


そんなことを言いながらさらに水をかけてみた。

すると、なぜか水に光が宿ったように光はじめる。


「は?なにこれ!?えぇ!?!」


意味もわからず混乱していると、光った水を浴びた妖精のようなものは、先ほどのボロボロさなんて微塵も感じさせないほど綺麗な姿で宙を飛んでいるのだった。



「えっと……大丈夫??」


ふっと浮かべた笑みは可愛いはずなのに、なぜか少し恐ろしさを感じた。


気のせいだとは思うんだけど……。

ってか、あの娘が目を覚ましたらいきなり花畑に変わったんだけど!!

移動してないってことはあの洞窟に花が大量に生えたってこと?

はー?意味わからーん!!!


私が混乱し『うぉぉぉぉ』と小さく唸っていると、


「くすっ。面白いひとの子、感謝するわ。あなたにお礼がしたいのだけど、何かしてほしいことあるかしら?」


こんなに小さい子に何を頼めと?


そんなことを思い、うーーんと悩んでいると「私は森のことなら何でも知ってるわ」と言ってきた。


「!!それじゃあ…!!」


方向音痴な私にピッタリな人(?)との出会いを果たしたのだった。

しかし、このときの私はまだ知らない。

この可愛らしい妖精がとんでもない存在だったことを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。