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22話 乾杯


「あ、クロセ。遅い!」

「すまんレフィ。寝てた」


 協会本部 大会議室


 目立ちたくない俺とは違い、討伐の活躍を大袈裟に盛ったレフィのおかげで中級探索者から上級探索に昇進する事になった。

 まあメインはアシュラ討伐祭で俺の事はついでだけど。


 救助した生き残りはエンキと八重含めて数人だけだった。もう何人かいたらしいがアシュラの配下ゴブリンとゴザンにやられてしまったらしい。


「で、後は俺だけか?」


「いえ、まだ魔笛が来てないわ。まあいつも代理人が来るから問題ないかしら。ほらあそこ」


 指差した方向にはヘルグリオのパーティメンバーがいた。確か副リーダーの人か?顔に見覚えがあるな。


「やあ灯。元気そうで良かったよ。体は大丈夫かい?」


「エンキ!問題ない、再生剤がよく効いたんでな。そっちはどうなんだ?」


「それなりに重傷だったけどもう完治したよ。むしろ前よりも調子がいいくらいだ」


 近くにエンキもいて良かった。知らない人だと緊張するからな。結構人見知りする人間です。


「あら? いたのね樹剣。全く気が付かなかったわ、ごめんなさいね」


「おや? 小さくて見えなかったよレフィ・ラピス・オルザリア。今は灯と話したいんだ邪魔しないでくれるかい?」


「は、いいわよ。貴方と違って私は束縛しないから。好きに話してていいわよ」


「真っ先に灯を確保しておいてどの口が言っているんだい?それで束縛していないとはずいぶん傲慢だね。それに常に監視もしているらしいじゃないか」


「なんのこと?自己紹介はいらないわよ?」


「ああごめん。君は盗聴もしているんだったね。英雄が聞いて呆れるよ」


「「はははは」」


「へ?監視?なに?」


 聞いてはいけないことが聞こえた気がするがなんだろう。

 あの、シルベストにアーヴァさん? なんで顔を背けるんだい? 頼むからこっちを見てくれよ。嘘だと言ってくれよ……


「えーマイクテスト、マイクテスト。大丈夫そうですね」


 あ、確かラージェなんとかさんだ。


「ラージェスです。皆様集まったようですので始めます」


「はじめー、まっす」


 隣には顔を隠している人がいる。協会の探索者かな?それとも執行官なのか?


「あら?見たことない顔ね。ラージェスその子は?」


「おやレフィ様。それは後で紹介します。今は協会所属の人間とだけお伝えします」


「そう。なら楽しみにしてるわ」


 エンキと笑いあってたレフィだがラージェスが出てくると雑談を終えたようだ。


 「もうエンキとはいいのか?」


 「ええ。いったん膠着状態ね。まあわたしが優勢かしら」


 「ふーん?いいならいいか」


 仲良いようでなによりだ。会うたびに笑い合うから少し不気味だが喧嘩はしてないからヨシ!


 「これよりアシュラ討伐記念パーティを始めます」


 「まずは救助ありがとうございます。皆様のおかげで地上にゴブリンは一匹も現れませんでした。私たちが出ることなく終わり嬉しく思います」


 「そしてアシュラ討伐に英雄を中心とした樹剣、白姫の援護、英雄の相棒である黒瀬様によるサポート。協会も今回の件を重く受け止め特にこの4名には金銭の増額を決定しました」


 お?金を貰えるのかありがたい。


「それでは皆様グラスを掲げてください」


「ではレフィ様、乾杯のお言葉を」


「わかったわ!みんなお疲れ様!せーのっ」


「「かんぱーい!!!!」」


 合図とともに協会のスタッフが異国情緒溢れる料理の数々が運ばれて来た。

 日本料理に中華にエスニックにアメリカンな物などいろんな国に対応している。

 まあまずは肉だろう。


「串焼きあるじゃん。これにしよ」


 魔牛のステーキ串にねぎまやら鶏皮なんかもある。じゃあこのステーキ串を……まだ焼いてる途中?予約取るから他のとこに?おーけーならまた後で。


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