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16話 くそっ


個体名「アシュラ」 青の森のエリアボス?

 ゴブリンの特殊個体?

 保有能力

 小鬼の王 自身と配下ゴブリンの全能力上昇

 青の血 緑の上位種の証 毒を含んでいる

 銀の配下 銀の流星に洗脳され強化された


 青ゴブリンの村長の息子で将来有望だった。赤の森で瀕死の重症を負うが銀の流星に治療してもらい配下となる。洗脳されたことには気づいていない。命令に従い探索者を殺し地上を目指す。

 


「……は?ここでも銀の流星かよ。なんなんだ?気持ち悪いなぁ」

 

 〈そいつがアシュラを使って実験?いや洗脳か。なかなかいい性格をしている〉


 ふざけた野郎だ。しっかし操られてこの強さか。能力もエリアボスとして申し分ないな。まあ今の状況ではあまり使えないっぽいが。統率型のエリアボスなら1人でも……


「オマエ……あの御方をぶ、侮辱するのカ?ゆ、ゆるさない、許さない!!貴様ァ!!!!」


「え、怖……」

 

「ギィィィ腕を引き抜きクウ!腹を刺し中の臓物をクウ!頭を引っこ抜き眼をクウ!クウクウクラゥゥ!」


 ……無理無理。めっちゃ怒ってるし体がデカくなっているしなんだこいつ。統率型と思ったら戦闘型じゃん。


 〈アカリ、くるぞ!〉


 怒り狂った形相で大剣を振り回しながら走っている。


「よっと!オラァ!!」


 避けつつ青狼ナイフで腕を斬りつける。今度は弾かれることもなく普通に斬れた。

 首だけが硬いのか?それならまだやれる。レフィが来るまで耐久してやる。訓練の成果にちょうどいい。

 俺だけでこいつを倒してみせる。

 

「かかってこいや!」


 ◇

 


「もし、御二方、息子を知らんか?」


 エンキと八重が帰還中にとあるゴブリンが道を塞いだ。通常のゴブリンよりも背が低く痩せ細っている老ゴブリンだ。探索者の服は着ておらず防御力は無いに等しい布の服のみ。手には錆びた剣があるが武器としては使えないだろう。


「息子って?誰のことだい?」

 

「大きく腕が四つのゴブリンじゃ。ここにいるかと思い来たがおらんでの」


 違和感。弱いはずなのになぜか勘が逃げろという。明らかに素手でも殺せる見た目なのに。見ていると恐怖してしまう。


「ああ、それならたぶんまだ青の森にいるよ」

 

「おお!ありがたい。ではさらばじゃ」

 

 敵意はない。ただ質問に答えればよかった。それだけでよかった。ここにいる探索者は全員知っていたのに。

 

 襲った探索者6名。一般3人、上級2人、特級1人がその錆びた剣に殺された。

 全員の頭と体が別れて終わった。特級探索者ですらまともに防御をしたはずなのにサラッと死んだ。


「…………くそ」


 僕は助けることも出来ずただ見ているしかなかった。あんなやつがいたなんて。

 さっき戦ったアシュラの親ならより強いはず。神秘剣もろくに使えず翡翠根も出力が弱くなっている僕ではどうすることも出来ない。


「エンキさん、今は帰りますよ」


「そうだね。協会に行かないと」


 すぐに報告して援軍を送ってもらわないと。できることをしないと。

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