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6.一人目の転生者

またしても携帯投稿という蛮行

でも寝ながらできるのいいの!やめられないの!

天使の二人が来訪してから数日


ユートは、メルとアグナと共に、転生者を出迎える為の“開店準備”をせっせと進めていた。


店舗の様相さえ整っていれば、その場で物質を生成出来るユートにとって、準備など無駄なものではあるのかもしれない。


しかし、その中でもユートには「これだけは譲れない」と思っていたものが一つだけあった。


料理だ。


調理済みのものを想起し、生成すれば成立してしまうのは確かだ。


しかしそれでは味気ない。


料理と言うのは、調理中に漂う匂い・音も含め料理である。と言うのがユートの持論だ。


勿論、忙しくなった時には“そういう手段”に出ることに異論はない。


しかしユートは、転生者にも、天使二人にも、出来れば自分が思う最高の状態で料理を振る舞い、美味いと言って欲しいのだ。


ただ食材に関してはこの神界に於いてどうしようもないので、“最高の食材を目の前に取り寄せる能力”を発動させ、“中の時間を停止させる事ができる道具を作成する能力“で作成した名付けて「時間冷凍庫」を使って保管している。


ユートはそうして毎日料理を作って天使二人に振舞っているが、二人からの反応も上々で鼻が高い様子である。


その中でユートは一つ、この世界の料理における最大の利点を発見した。


「能力を使えば、煩わしい片付けを一切しなくて済む!!!!」


汚れた食器、調理器具、テーブルなど、使った側から再生成してしまえばいいのだ。

実際それに気づくまでユートは馬鹿正直に食器を洗い乾かし再度使っていた。(といっても食洗機は使っていたのだが)


流石に片付けに料理の美味さは含まれない。寧ろ無いなら料理に対する気軽さがグンと上がるため、ユートはこの能力に始めて心からの歓喜を覚えていた。


天使達二人には、作った料理の味見と、一部の調理手伝いなどを行ってもらい、メニューを考えて貰ったりもした。


このメニューに於いて結構に活躍してくれたのはアグナだ。


彼女は酒好きなのだ。しかも筋金入りの。

あれよあれよと出てくる酒の肴レシピ。

メニュー化する前にもうすこし塩気が欲しいとか、この酒に合う肴がどうだ、とか色々な助言をユートに行った。


そんなこんなで、比較的楽しく3人で準備を進めていると、3人のもとに数日ぶりに”天の声“が響いた。


「皆さん、聞こえていますか?ヨークです。」


「はい、お久しぶりです。どうしました?ヨーク様」


何か言い忘れたことでもあるのかな。なんて事を思いながら、ユートは尋ねた。


「実はですね、転生者の方が発生しまして、手続きが終わってもうそろそろそちらに来る手筈になっているのです。それで、準備の方はどうかなと思いご連絡させて頂きました。」


転生者。


どこかの次元で命を落とし、神になれる資質を秘めた魂に対する救済措置


こういうシステムである以上、唐突にユートの”お客さん“が来ることは仕方ない事である。


そして、それを理解している上で、ユートは答えた。


「はい、いつでも大丈夫ですよ!ちょっといきなりでびっくりしましたけどね!」


「それは良かった、では5分後ぐらいに、転生者をゲートにお送り致します。それではよろしくお願いしますね!」


「はい、ヨーク様も、たまにはうちに飯でも食いにきてくださいよ。お待ちしてます。」


「ふふ、ありがとうございます。それでは。」


そう言ってヨークとの通信は途切れた。


そしてユートは二人の顔を見て、言い放つ。


「聞いたな?二人とも、じゃあ今から二人に役割を与える!俺は転生者への対応をするから、まずメル!もうある程度料理出来んよな?厨房に入ってくれ!対応の方が落ち着いたら俺も入る!

アグナ!そっち客のオーダー取ってくれ!酒の場所も大体わかってんだろ?言われたやつすぐに持ってきてくれ!

じゃあこんな感じで行くぞ!お客様一号だ、気合い入れてくぞ!」


「「はい!!」」


妙にテンションが高い三人だが、それには理由がある

三人とも緊張しいなのだ。

だから気合いで緊張をかき消そうと必死になっている。


そうして気合いを入れている間に、一人目のお客様が酒場の扉を開けた。


「すいません、ここ、どこですか?」


目の前に居る、日本の学生服を着た少年は言った。


「いらっしゃいませ、異世界人酒場へ。席はこちらです。」


緊張でカチコチになりながら、なんとか三級神は目の前の少年に告げた。

漸く彼の本業が始まります。

ここまでに6話も使ってよかったんだろうか。

あと、漢字間違いやらなんやらをプレビューで見つけたんですが修正が難しいので、今度修正しておきます。ゴメンね!

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