6.昏き旅立ち
「あっという間だったな。仁くん」
転移ゲートの前で、ユートが微笑みながら仁に言う。
「僕も、ここまで楽しめたのは久しぶりだったなぁ、また来たいです。貴方達のような善意に触れている間は、僕は真人間で居られるような気がして。」
少し名残惜しそうに、仁はユートに言う。
「ああ、また来い。」
風を切る様に、ユートの名刺は仁に目掛けて飛ぶ。
「…これは?」
「再開するのに要る通行証みてえなもんだ。ハタチになったら門が開く。辛えことがあったら来い。無くても来ていいぞ。」
そう言うユートに、仁は笑いながら答える。
「辛いこと?僕のこれからの人生なんて愉しみしかありませんよ?こんなに立派な力を貰って、あの世界を、あいつらを、俺のこの手で壊せるんですから。」
「それはまたポジティブなことで嬉しいよ。
まあそういわずにさ、まあ、来たくなったらでいいから。」
「…そうですね、二十歳になったらこれ使えるんですよね?それまでに、全て終わらせて、また来ます。そうすればきっと、ここに美味しいお酒を今度はもっと美味しく戴きにこられると思うので。」
「あとそのしょうもねえ僕口調もやんなくていいようにな。お前たまーにお漏らししてんのに自分で気づいてるか?」
そうユートが言うと、はっとしたような顔をして、笑いながら仁がこう言った。
「…バレてたか。じゃあ、もっと余裕が出て、俺が俺としてリラックスできるころにまた来るよ。…こんな俺を受け入れてくれてありがとうな。」
「馬鹿野郎、それが俺の仕事だっての。ほんとだったらお前みたいなやつ迎えたくなかったわ!」
「…はは、ほんとに悪いな。」
こうして、間田 仁の転生は終わった。
あいつに楽しい思い出を残せたかな。と思いつつ、ユートは転移ゲートを跡にした。
その思い出が、次の標になることを祈って。
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「…!!」
まぶしい光と共に、ジンは目覚めた。
記憶が定着した5歳の朝、ジンはそれまで育ててくれた家族に礼と謝罪をした。
その意味を、彼の両親が理解することはなかったが、それでいいとジンは思った。
そして、その日の夜、ジンは時渡りの能力を発動した。
見たことのある光景へたどり着く。600年前、ジンが生きていた頃の王都だ。
これは面白くない。と思い、ジンは"自分が死んだ場所"まで駆け、"自分が死んだ時間"へと、再度時渡りを行った。
そして、突然現れた少年に驚愕する"元・仲間たち"にこう言い放った。
「お久しぶりですね、皆さん。そこに転がってる死体が、貴方達に喜劇をプレゼントしにきました。」
戦慄する神官や、戦士たち。声を荒げる武闘家。ありとあらゆる罵詈雑言が、こちらに飛んできた。
心地いい。これから惨たらしく壊される男女たちの金切り声を、ジンはそう感じていた。
ジンの復讐は、ここから始まる。
今回はちょっと転生後パートが長いかもしれません。
プロット流し程度しかやりませんが。




