2.襲来
短めです
「まあそう気を落とすな。我らよりはまだ良いであろう。」
「そうだぞユート殿。自分で言うのもなんだがあれより酷い出会いなぞ早々ないものだ。」
そう言って、アズモとエルミナがこちらを慰めて来た。
「はーいミアちゃんあーんしましょーねー」
メルはアズモとエルミナの子供「ミア」を見るなり、秒速でお世話を始めた。
子供好きなのだろう。
「ぼくも早く子供欲しいですねえ…」
嫁が出産予定の郁也も、その様子を見ながらぼやいていた。
「そうは言ってもよぉ…俺今から来るやつどうにかしようがねえよ…
お前ら二人みたいなのと、今から来るやつは、恐らく憎しみの根っこが違う。
しかもその根っこが自分にあるから、俺が取り除くのがほぼ不可能なんだよ…」
そうアズモとエルミナにぼやくユート
ユート自身に人心掌握の術がないこともないが、そもそも神はこの酒場に来た時点で、彼らの“人となり”を曲げるべきではない。
アズモとエルミナのときも正直グレーなところではあったが、あれは世界の状況を伝えただけなのでセーフだろう。
「ほんと素直な転生者くんはお前だけだったよ、郁也。」
「いきなり何ですかユートさん、金なら貸しませんよ。」
「困ってねーよ!そもそもお前らタダで飲み食いしてんだろうが!」
結構にユートは余裕がなかったが、とりあえずツッコミは入れる。
「あーもうなんか気ぃ抜けたわ今ので!よっしゃこい!転生者よ!!」
とユートが言った後、本当にドアが開いた。
「ここは…何処だ…?俺は一体
…あいつらは…?」
虚ろな目をした男が、扉の前に立っていた。
(ああ、やっぱりね。知ってましたよ。)
そう心の中で呟き、その男と同じぐらい虚ろな目をしたユートが声をかけた。
「…まあ、その、なんだ とりあえず座れや。
あと最後の状況をどんぐらい把握してるかは知らんが、落ち着いて聞いてくれ。
…お前は、死んだ。多分お前が思った方法で」
そこまで聞いて、目の前の男、仁はこう言った。
「あはは、やっぱりですか?そうですか、あいつらがやったんですね?あの味方面してるあいつらが
滑稽ですね、使い捨てだったのにも気付かず、あんな国を、あんな世界を、2回も守っちゃいましたよ。
…で、貴方は誰ですか?もしかして、こんな惨めな死に方をした僕に、お情けで何かしてくれるとかですか?」
その言葉を聞いて、ユートは答えた
「実は…そのまさかなんだよ。お前を生き返らせる。とりあえず説明するから座ってくれ。」
そう言って、改めて仁を促すユート
「…分かりました。」
半信半疑といった様子で、仁はカウンターに座った。




