14.ステータス設定:魔王編その2
先ほどのエルミナに与えた能力値を参考にしながら、ユートとアズモはステータスを割り振っていた。
その結果は、以下の通りとなった。
アズモ 魔人
レベル:1000
境遇:
力:9000000 常人指標:6
魔力:9000000 常人指標:4
体力:9000000 常人指標:7
素早さ:9000000 常人指標:5
運:9000000 常人指標:6
スキルリスト
自動防御・物理
自動防御・魔法
完全自動回復
峰打ちの極意
多重詠唱:極
大賢者の知恵
剣神の腕
剣魔連結
吟遊詩人の極意
稀代の作詞家
人形職人:極
機械技術:極
機構理解:極
トレース技能
魂載せ
魔法人形生成
記憶引き継ぎ
不老長寿+1
残りポイント:9000
「これでも9000余りか…」
この“全部載せ”のようなステータスでもなお、余るポイントにアズモとユートは辟易としていた。
「ダメ元で聞くが、種族を変えることは可能なのか?」
そんな中、ユートはアズモにそんなことを聞いた。
「ダメじゃないけど、ポイントを割と使うな。大体1000ぐらい。」
そう説明すると、アズモは嬉々としながらこう言った。
「そうか、なら私は人族になろう。それに合わせてポイントをもう4500使って、寿命をエルミナに合わせる。」
この種族変更を意外に思ったユートは、アズモにこう言った。
「まあいいけども、アズモは魔族に矜持みたいなもんを大切にしそうなんて思ってたが、そうでもない感じ?」
「勇者と争っていたときもそうだが、我自身は兎に角争い事を鎮めることしか考えておらぬでな。同族からは誇りを重んじた存在と見られていたようだが…」
とのアズモの言に対し、ユートはこう言った。
「俺が人のこと言えたもんじゃ無いが、いかにも俺様な物言いに見えちまうからな、口調から。」
ユートの言葉に、謝罪の言葉を込めながらアズモは返す。
「それは済まなかった。我ら魔族は、偉い者は偉くあるべきで、遜った態度ど取っては下の者に示しのつかんという考えが根付いておってな。そうして魔王を名乗っている凡そ200年の間に、この態度が普通になってしまってな。」
ノブレス・オブリージュという言葉がある。
貴族などの高貴な人間には、その高貴さに応じた責任や義務を持たなければならない。という考え方である。
力あるものは力のある振る舞いをしなければならないと言うのが、あの世界の魔族におけるノブレス・オブリージュのようなものだったのであろう。
「まあ謝る必要はねえけどよ。中々に意外だった。で、どうして人になろうなんて決めたんだ?」
疑問を投げかけるユートに、アズモはこう答えた。
「どうしても人の世のほうが文化が栄えておってな。それに対する憧れというものを我は常としてもっておった。
それを間近で見るには人として過ごすのが一番と思うてな。
それに、我が同志となるエルミナとも遺恨なく過ごせるのはやはり人の身では無いかと思うたのもあるな。」
多分最後の理由が主なのだろうな、とユートは思ったが、ここは言わぬが花というものである。ということで黙っていた。
これはユートの推測であるが、力あるものとしての振る舞いをアズモが進んでやったわけでは無いが、彼自身がその振る舞いを嫌っていたわけでは無い。
しかしどうしても“立場”というものが発生してしまう以上、彼と真の意味で“対等”な相手は、前世に勇者を除いて存在しなかった。
対等な力で自分と渡り合える人間。
彼の過ごして来た価値観では、もしエルミナが魔人として生まれたなら、生涯の伴侶としていたかもしれないほどの女性。
そんな者と隣で酒を交わしながら、表向きかもしれないが嫌な顔一つせず、生涯を共に旅する事を半ば承諾してくれているのだ。
ここからは邪推になるが、多分アズモはエルミナに惚れており、そしてエルミナも自覚しているかは怪しいが、アズモに惹かれている。
ちょっと恋愛脳が入っているユートの脳内には、そんな考えが脳を走り回っていた。
故意では無いのだろうが、不遜な物言いで自分の心の声をぼやかすアズモと、実直であるが鈍感そうなエルミナ。
この二人が結ばれる日を想像しながら、ユートはにやけ面を必死で抑えていた。
時間が数秒単位しか進んで無い気がする
どっかの麻雀漫画かな?




