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BLT!  作者: ちろ
10/10

漸く最終話です。

「何か俺に言ってないこと…あるよな?」


そんな意味深な言葉と首元の圧力で悟った。遂にバレたな、と…。

やばい、俺の命日は今日かもしれない。せめて涼さんに一目会いたかった…無念。


「何?現実から目逸らしてんの?お前の心情なんてどうでもいいんだよ。さっさと本当のこと吐け。」


低く響く声が一層恐ろしい。しかしこれ以上抵抗するとどうなるか…!

結局洗いざらい話すことになり、そしてがっつり説教された。


「自分の勝手で傷つけておいて、まだ未練たらたらとか情けないと思わないのか?確か昨日も俺のところで涼さん涼さん煩かったよな?しかもまだ謝ってもないとか何様のつもりだよ。彼女に避けられてるからってそれが許されるわけないだろ。お前は馬鹿か?」

「…おっしゃる通りです。返す言葉もございません。」

「そういうわけだから、今週末彼女にきっちり謝罪しろ。…何だよその顔は。今更「できません」とか聞かねーから。」

「いやそうじゃなくて、なんで今週末?」

「今日これから連絡するから。向こうにも心の準備しといてもらえばいいだろ。」

「…大変言いにくいのですが、俺のアドレス拒否られてるっぽいんですけど。どうやって連絡すれば?」

「さっき教えてもらったから俺がする。文句は受け付けない。」


なんでだ。涼さん、どうしてこいつに連絡先なんか教えちゃってんの?!ってそれより!


「もしかして涼さんと会ったの?!」

「…今頃気付いたわけ?そうだよ会ったよ。いい加減お前鬱陶しい。つーわけで、潔く面と向かって振られて来いよ。」


今度こそ返す言葉がなかった。

そうだよな、まずは涼さんにちゃんと謝らないと。それで、きっちり振られ…本当は嫌だけど!振られなきゃいけないんだ。ただ、俺が本当に涼さんが好きだってことはちゃんと伝えたい。俺みたいな男ばっかりじゃない、涼さんには幸せになってほしい。彼女を傷つけた俺にできるのは、彼女の幸せを願うことだけだ。


なんて思ってもさ、心の底では俺が幸せにしたいって思ってる。他の男なんかに渡したくない。もしも、もしもやり直すことができたら…今度こそ間違えない。涼さんを思いっきり大切にしたい。

だけど、あんなに綺麗になった涼さんに新しい彼氏がいないとも限らない。というか、その可能性の方が高いかも。

「駿、俺ってバカなのかな?この期に及んで、まだ涼さんとやり直したいとか思ってるんだけど。」

「…お前のバカは一生治らん。あとヘタレも。それを彼女が受け入れてくれるかどうかだろ。」


なんか今、ちょっと励まされた?やっぱり持つべきものは親友だな!

そうして気持ちを新たに涼さんへの言葉を考え始める俺は、呆れと微笑ましさを含んだ駿の視線にも気付くこともなく、延々とシュミレーションを繰り返すのだった。


************


そして涼さんとの久しぶりの対面の日。朝から緊張しっぱなしで、正直授業の内容なんて右から左だった。駿に連れられて向かった待ち合わせ場所には、今日もとても綺麗な涼さんがいた。


やっぱり可愛い…そしてちょっとセクシーさが加わって、心の中で悶えてしまう。涼さんやばいです。素敵すぎます。俺には絶対涼さんが必要です。うわぁ、その控えめにこっちを窺う視線とか…久しぶりに視線が合うこともあって、これ以上ないくらいドキドキするんですけど!


一人で脳内会話をしている間に駿に彼女の手を取られるという、鬼畜ハプニングはあったものの、なんと俺の部屋へ涼さんを招待するという夢の展開に。…昨日掃除頑張ったよ。

しかし、まずあのことをちゃんと謝ろうと思っていたのに、現実の彼女を前にしたら舞い上がりすぎていきなり復縁を迫ってしまうし。そのあとは正直思いだしたくもない醜態で…


だって土下座に泣き落としとか!

後から考えれば赤面ものだが、なんと涼さんは俺を許してくれた。その上、また彼女になってくれるって…!!今日は今まで生きてきた中で一番嬉しい日かもしれない。だって、彼女が俺のこと「好き」だって言ってくれたんだ。前は期限付きの彼女だったから、どうやったら好きになってくれるか悩んでいたのに。これって『両想い』ってやつだよな。なんて素敵な響きなんだ!俺は今なら恥ずかしさの欠片もなく海に向かって「涼さん愛してるーーー!!!」と叫べる自信がある。マジで。


いや、それより目の前の涼さんだ。可愛らしく俺におねだりしている涼さんだ。責任?取らせてくれるならいくらでも!離れるなんて、一生してやらないから!


まずは恋人の第一歩として、そっと涼さんの手を握って…そのあとのことは幸せすぎて言葉にできない。

しかし、幸せの絶頂と可愛い涼さんに興奮して鼻血を出してしまったことは、永遠に仕舞っておきたい暗黒の記憶である。これだからヘタレは…とは言わないでほしい。

大大大大大好きな彼女と初めてのキス。しかも彼女は正真正銘俺が初めて…もちろん最後のキスも貰う予定だけれど。というわけで、俺は悪くない。悪いのは脆弱な俺の血管だ!

これにて完結です。お付き合い頂きありがとうございました!

番外編…気が向いたら書くかもしれません。

感想も引き続きお待ちしております♪


他連載にも宜しければ足を運んでみてください。

しばらくはあとの二本でやっていく予定です。

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