二人とも無事で良かった、美心ちゃんはちゃんと汗拭いてね
「春香さ~ん、ジュース飲みたいっす」
仕事が始まって早々美心が甘えた声で春香にジュースおねだりしているが、春香は忙しいのか振り向きもせず無言でポケットから千円札を渡し
「私コーラ」
咲希もそれに便乗して
「私はカルピス」
と美心に注文するのであった。
「やったー買ってくるっす」
喜んで美心が飛びだしていった。これも全部春香の計算の内だとは知らず。
今日は暑い、しかもエアコンが壊れているが耐えられない程ではない!しかしこういう時は高確率で美心がおねだりしてくる事はわかっていた。だから千円札をポケットに入れてその時を待っていた。
そして上手い事美心を釣り上げた。ちなみに咲希も共犯だ。
何で自分で買いに行かないかって?そんなの決まってるじゃないか、めんどくさいからだよ。
さぁ~六話の原作できたから咲希ちゃんにネームにして貰おっと。
◇◇◇◇◇
「クルミ一緒にココを探しに行こう」
ココの一言で落ち込んでいるクルミが心配なスズ、勿論ココの事も心配ではある。
「探しになんか行かなくてもいいよ、お腹が減ったら夜にでも帰ってくるから」
少し怒ったような口調のクルミだが、やはり心配なのだろう、ソワソワして落ち着きがない。
結局その後クルミは無言でひたすら素振りをしていた。
夜ご飯の時間になった。ココが帰ってこないかなと玄関の方を見ているがまだココは帰ってこない。
クルミも心配で何回も外を見に行ってる。
シスターも皆も心配しているが、探しには行けない。夜は危険なのだ、シスターも大人ではあるがか弱い女性だ、それこそシスターに万が一の事があれば残っている子供達が大変だ。
「皆夜ご飯を食べましょうか」
明るく努めるが皆は浮かない顔だ。
「ココ帰ってくるよね」
「必ず帰ってきますよ」
七歳の男の子カインが心配そうな表情でシスターに尋ねている。シスターも心配させないように優しい顔で返事を返してあげている。
夜ご飯中もクルミはずっと思い詰めた顔をしている。責任を感じているのだろう。
夜ご飯を食べ終わってからスズはずっとクルミを見張っている。
(やっぱり探しに行くか)
スズが予想していた通り皆が部屋に戻った後クルミがこそっり余っているパンを鞄にいれ、静かに孤児院をでて行く所を見た。スズも後をつけて声をかける。
「私も一緒に探すよ」
「スズはダメだよ危ないから」
「クルミが行くなら私は勝手について行くから」
ニコっと笑ってみせるスズにそれ以上なにも言わないクルミ、しっかりしているように見えてまだまだ幼い女の子だ、クルミも一人じゃ心細かったのだ。スズにもこれ以上親しい人に居なくなって欲しくないと言う思いがあった。
「クルミ何処を探すの?」
闇雲に探すのではなく、何処にいるか検討がついているのか確認をしてみる。
「多分畑にいると思う、ココはああ見えて寂しがりやだから遠くにはいかないよ」
困った妹を見る目をするクルミ。
二人で畑に向かってみると、畑の真ん中でトマトを食べながら泣いているココがいた。
(本当にいた)
とスズは思ったのと同時に無事で良かったと安堵のタメ息を吐いた。それはクルミも同じらしく嬉しそうな顔をしている。
二人は走ってココにかけよった。
クルミが心配したんだよと優しく声をかけてあげる。
「クルミなんか嫌い」
プイッと横を見るココ。
「ココ思ってもないのにそんな事言ったらクルミが悲しむよ」
スズが優しくさとしてあげる。
「だって嫌いなゴーヤ無理矢理食べさせようとするし」
「ごめん」
「クルミが打った手も痛いし」
「ごめん」
「お腹減ったし」
「ごめん」
そこでスズは内心お腹減ったは関係あるかと思ったが突っ込まない。
「帰ったら手治療して」
「わかった」
なんだかだんだんクルミに甘えだすココ。
「ご飯も食べさせて」
「うん、けどその前にシスターと皆に謝ろうね心配かけたからね」
無事ココを見つけて帰る三人だった。
◇◇◇◇◇
咲希が原作を読み終わったタイミングで汗だくの美心が帰ってきた。
「おかえり美心ちゃん」
「ただいまっす」
顔が死んでいる美心
「凄い汗だね、汗拭くまで私には近寄らないでね」
「酷いっす春香さん、乙女に向かって」
そう言っておもいっきり春香に抱きつく美心
「仕返しっす」
いたずらっ子みたいな笑みを浮かべる美心、そんな美心の頭を撫でながら
「けど美心ちゃんがちゃんと帰ってきて良かった」
「そうですね、ココみたいになっていたらどうしようかと思いました」
「どういう事っすか?」
え?え?っと春香と咲希を交互に見る美心をおもしろそに見る二人。
「ちゃんとお釣りは返してね」




