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描いて読んで  作者: ネコ雲


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5/12

喧嘩は悲しいだけだよ


 春香のうどんが甘い事件から数日、今日は美心がご飯を作る番だ。小気味良いリズムで野菜を刻んでいきフライパンで切った野菜を炒めている。

 出来上がった料理を春香に持っていく。

「これは何て料理なの」

「野菜炒めっす」

「真っ黒なのはイカ墨でもいれたのかな」

「醤油っす」

 若干顔が引きずっている春香と満面の笑みの美心

ちなみに咲希も顔を引きつらせている。

「さぁ~食べて下さいっす」


 とりあえず食べてみる二人

「醤油のしょっぱさと苦味が素晴らしいね」

 それだけ言い残して箸を置いた春香

「美心ちゃん病気になるよ」

 それだけ言い残して箸を置いた咲希

 一口食べてみる美心

 テヘっと舌を出す美心


 「さぁ~切り替えて仕事始めよっか」

 春香が手を叩きながら仕事机についた。

「美心ちゃんは残したら勿体ないから仕事は全部食べ終わってからでいいからね」

 そう言われた美心は流れる動きで土下座を決め

「申し訳ございませんっす」

 深々と頭を下げたのであった。

「咲希ちゃんはとりあえず五話の原作読んでみて」

 美心を無視して仕事を始める二人であった。


◇◇◇◇◇


 孤児院では今お昼ご飯を食べ自由時間であるのだが何やら雰囲気が悪い、原因は皆がわかっている。

 クルミとココが喧嘩中なのだ、喧嘩の発端はお昼ご飯の時

「ココも私が作ったゴーヤの炒め物食べてよ、苦くて美味しいよ」

「イヤっす、苦くて美味しくないっす」

「食べてよ」

「イヤっす」

と言う感じで言い合いが続き今という感じだ。

 二人とも一切口をきかず黙々と素振りをしている。スズもどうしたらいいかわからず横目で二人をチラチラみながら素振りをしている。


 すると突然クルミが何を思ったのかココに剣術勝負を申し込んだのだった。

「どうしたのクルミちゃんいきなり勝負だなんて」

「女の子にはゆずれない戦いがあるの」

 スズは心配で声をかけたのだが、クルミはもの凄く真剣な表情でやる気充分なようだ。

「いいわよクルミ何て負かしてやるんだから」

 どうやらココもやる気満々な様子だ。


 スズには何でこのタイミングで勝負なのかわからず狼狽えていると、スズより年上のもう一人の女の子チハルが理由を教えてくれた。


 この孤児院ではこんな感じで衝突した時は、お互いが合意した勝負で決着をつけるという暗黙のルールがあるらしい。


 それを聞いたスズは思った

食べる食べないで剣術勝負とはとてもバカらしいと

案外クルミは脳筋?と


 二人は向き合いこういう時用のちゃんとした木剣を構えた。二人は本気だ!

 しかし勝負は一瞬だった、クルミが籠手を決めココが木剣を落とし勝負が決まった。

 強く打たれたココは痛そうに顔をしかめ泣きながら

「クルミちゃんなんて嫌い、私出ていく」

と言い走って居なくなった。

 ココに嫌いと言われクルミはショックを受けたのか涙目になっている。


◇◇◇◇◇


 野菜炒めを食べ終わり、咲希の横で一緒に見ている美心が春香に詰め寄り

 「ちょっと待って下さいっす、ココと私に酷くないっすか」

「まぁ~ここでココには消えてもらうつもりだから」

「それは流石に早いっす、可愛いそうっす」

 春香にしがみ付き訴えかける美心

「冗談よ」

 そう言われてホッとする美心だが、やはりまだ心配なのか

「本当に冗談っすね」

と念を押すのであった。

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