美心ちゃんまた拗ねる
「やったー三話の原稿終わったっす」
背伸びをしながら美心が嬉しいそうにしている。
「美心ちゃんお疲れ様、とりあえず一旦お昼にしよっか今日はうどん作ったから」
(今日は春香さんの手作りうどんっすか、何度か春香さんの手料理を食べた事あるっすけど、正直あまり美味しくないっす、なので今日こそそれを伝えるっす)
と心に決めた美心は恐る恐る春香が作ったうどんを口に運んだ。
(うん、やっぱり甘い)
「春香さんこのうどん美味しくないっす、甘すぎっす」
「甘い方が美味しいじゃん」
「限度があるっす」
美心もせっかく作ってくれた料理にそんな事を言いたくない気持ちはあるのだが、春香が作る料理は何でもかんでも甘く今日は我慢が出来ずついに言ってしまったのだ。
「じゃあ~文句があるなら今度は美心ちゃんが作ってよね」
「いいっすよ」
膨れっ面の春香と自信満々の美心であった
一悶着あったもののお昼ご飯を食べ終わり、昼の仕事を始める三人。
「じゃあ~美心ちゃんは咲希ちゃんがネームにした四話を確認してから作業に移ってね」
「了解っす」
◇◇◇◇◇
「ちょっとココ床がびしょびしょじゃない」
「このくらい水があった方綺麗になるっす」
今日は三人で床掃除をしているのだが、ココが元気よく暴れているため、クルミが怒っているのだ。
私も頑張って床掃除するかと気合いを入れて始めたが、クルミが言う通り床がびしょびしょで、内心仕事増やさないでよとココに怒りをぶつけるのであった。
仕事も終わりお昼ご飯も食べ今から自由時間だ
今日はココがお魚釣りに行きたいと言うので、川に釣りをしに行く事にした。私は初めての釣りなので少し楽しみだ。
「さぁ~沢山釣って今日の夜ご飯にするっすよ」
「ココはしゃぎ過ぎて川に落ちないでよ」
「それって振りっすか」
「違う」
見てたらクルミはまるでココのお世話がかりのようで面白いがクルミははぁ~とタメ息をつき少しお疲れ気味だ。
私達を三姉妹で例えるなら長女クルミ、次女スズ、三女ココになるだろう。
そんな事を思っているとココが何やら声をあげている。
「魚きたっす」
中々の大物みたいで木で出来た竿が大きく曲がっている。
「ヤバい折れるっす、スズ竿を持ってて欲しいっす」
近くにいた私にココが竿を渡してくる。
え?何でと戸惑いながら竿を受け取る私。
竿を渡したココが何と川に飛び込んだのだ。
「竿が折れて逃げられるから直接捕まえるっす」
それを見たクルミが大きなタメ息をついている。
飛び込んだココを見るとバシャバシャしているので魚と格闘しているのかと思ったら
「助けてっす溺れるっす」
水をゴボゴボ飲みながら溺れているではないか、すかさずクルミが手を伸ばしココをどうにか引き上げた。私は竿をどうしたらいいかわからず右往左往しているだけだった。
「イヤ~深いの忘れてたっす」
笑いながら頭を掻いているココ、それを見て私は思ったココはアホなのかと。クルミもその様子を見てまたタメ息をついている。うちの長女は大変だなと私は思った。
魚はというと私が竿を離さなかったので、三人で見事に釣りあげる事ができた。
夜私達が釣った魚で、シスターが美味しい香草焼きを作ってくれたので、それを食べながら釣りでの出来事を面白おかしく話したのであった。
こんな楽しい日々が続けばいいな。
◇◇◇◇◇
「春香さんこのココってキャラに私への悪意を感じるっす」
「そんな事ないよ、美心ちゃんにそっくりなだけだよ」
四話目のネームを読んだ美心は春香にぶつくさぶつくさ言うのであった。
「咲希ちゃんココ良く書けてるね」
「春香先生勿論です。良い見本がいますんで」
二人から弄られた美心はしばらくの間拗ねていた。




