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河童様  作者: なぁ恋
愛と想いの代償
57/70

 

無意識にゆうつきの体を撫でると、彼女が小さく呻き身動ぐ。

その為か、背中から抱き締めて居たのが寝返りを打ち、向かい合わせになった。


すると、余計に体の違いに気付かされる。


「……ん。」

声を上げ、うっすらと目を開けた。


「ろ……う?」

名を呼ばれ、胸が疼く。


「夢? かしら?」

微笑みを浮かべたゆうつきは、とても素敵だ。


「夢ではないよ」

脅かさない様にそっと答えた。


「私は……」

考える素振りに、黙って見守る。

「―――死んだ?」

これには頭を振り否定する。


「なら、何故あなたが居るの?」

不思議そうにこちらを見る。


「ゆうつきを助ける為、境界線を越えて来た」

「境界線?」

「冥界から人界へ」


ゆうつきが体を起こす。

すると、露になった二つの膨らみに目が行った。

その視線に気付いたゆうつきが自分の体を見て「きゃっ」と腕で隠す。


「な、何で裸?」

真っ赤な顔で呟く様に訊いた。


「寒さで体が凍えて居たから」

これに考える様に頭を傾げて、一瞬で苦痛の顔に変わった。


「私……人柱で……私……とんでもない事をしたんじゃ……!?」

首を振りながら涙が零れだし、

「人柱が居なくなれば、龍神の罰が下る」

蒼白に変わる顔色。


実際にはその様な事は起こらない筈であった。

     ....

だが、私がこちら側に来た事でないとも言い切れなくなった。

 

 

... ......

何かの、何者かの意思が働いた感じがしたが、それをやめようとは思わなかった。


震えるゆうつきを抱き締める。

頭から背中を撫で、安心させる様に声を掛けた。


「心配するな」


そう。私にとって大事なのはゆうつきだけだ。

知ったばかりの想いは甘く、痺れる様な興奮が頭を、体を支配する。


ゆうつきを上向かせ、桃色に色付いた唇に己のそれを重ねた。


すぐに離すと、ゆうつきが驚いて目を見張る。

「何を?」

止める気はなかった。

頭の中で呟く誰かの声に従って、事を始める。


それは性急で優しくもなかった。

訳が判らない内に、その波に呑まれる。


それはゆうつきも同じで何の抵抗もせず。だが、少しの疑問を浮かべた瞳は静かに閉じて、運命を受け入れた様な溜め息と吐息を吐いた。








外の世界の壊れる音は、絶えず聞こえて居た。




―――それを正すのは壊した者達の役目。


誰かが、呟いた。



それは長く続く贖罪の始まり。



 
















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