愛の巣
今日は日曜日だ。デートは昨日したし、今日は何をして過ごそうか......?そんな事を考えていると、千寿から一つの案が出された。
「雅。もしよかったらオレの家に行くか?今度から住むわけだし」
「千寿さんの家......ですか?」
「嫌か?」
「......緊張します。僕なんかが行っていいんですか?」
雅の素直な感想に、千寿は「はははっ」と涙が出る程笑った。
「......なにもそこまで笑わなくても」
「い、いや。すまない。安心しろ。オレの家と言ってもオレが一人暮らししているマンションだ」
そう聞くと、雅は一安心した。だが、同時に同棲する先が一人暮らしということは、二人っきりで毎日過ごすって事?!とテンパってしまった。一人でテンパっている様子を見て千寿は"可愛いなぁ"と思いながらそっと雅を抱きしめながら頭を撫でた。
「雅はオレと二人暮らし、嫌か?」
「い、嫌じゃないです!ただ......緊張しちゃって」
「オレしかいないのに緊張する必要ないだろう?」
「まぁ、とりあえず行ってみないか?」と言われたので千寿の住むマンションへと行く事になった。千寿は、雅の両親に挨拶をすると、二人から「来月からよろしくねぇ」と言われていた。......まさか来月からなのか?!何も聞かされていない!!
「雅?なんだかご機嫌斜めか?」
「......来月からなんて、僕聞いていません!」
「そうだったのか?てっきり話してあると思っていたのだが」
雅は両親の適当さを身に染みて感じた。ここまでとは思わなかったが。雅はなんだか申し訳なくなってしまって、千寿に「両親がごめんなさい」と謝った。
「いや、いいんだぞ?むしろ早く来月にならないかと楽しみにしているくらいだ」
「......ホント?」
「あぁ。だからそんな申し訳なさそうな顔をするな」
「......うん」
「いいな、それ」
「え?」
急に"いいな"と言われ、何のことかと思った雅だったが、千寿が「その砕けたしゃべり方」と言ったのに対し、自身が無意識に敬語を忘れていたのに気がつかされた。
「これからは、オレ達は"恋人"で"家族"になるんだから敬語なんてやめてくれ。オレ達は対等な関係なんだから」
「ど、努力す、る」
「そーしてくれ。あ、もう着くぞ」
気がつくと、そこにはタワマンが建っていた。......まさか、ここに住むのか?と思っていると、そのタワマンの地下駐車場に入って行った。
「こんなところに住むの?」
「ん?そうだぞ。ちなみに最上階だ。高所は大丈夫か?」
「う、うん」
こんなところに住むなんて友人には言えないな。そう思う雅であった。




