デート帰り、ひと時
雅と千寿は車を走らせ、紅月家を目指した。車内では、プラネタリウムが懐かしい光景だった。海がこんなに綺麗だとは思わなかった。などなど、今日一日の感想を必死に話す雅に愛おしさを募らせる千寿は段々我慢が出来なくなってきてしまい、飲み物を買う口実でコンビニにより、車から出たところで雅を思い切り抱きしめた。...今日一日だけで何回抱きしめれば気が済むのやら。
「ちょっと、千寿さん!ここ外!!」
「はぁ...。もう愛おしくて仕方ない!!一緒に暮らしたらこの幸せが毎日続くのか...!!」
「ほら!飲み物買ってウチに行きますよ!」
そう言いわれながら千寿はコンビニにコーヒーとカフェオレを買いに行ってきた。
「これから、番関係の許可と同棲の許可の二つを貰いに行くと考えると緊張するな...。」
「と言いつつ、なんだかワクワクしてません?」
「当たり前だ。オレは許可が出るとしか思ってないからな?」
どこまでも自信満々な千寿である。雅は大丈夫かなぁ、と思いながらカフェオレに口をつける。ほのかな苦みとミルクの甘味が丁度良く喉を通って行く。
「まぁ、ウチの両親面白半分に一回ダメって言うかもしれない...。」
「...面白半分と言う事は、ふざけているんだよな?」
「だと思う。」
千寿もコーヒーを口に含むと車のエンジンを入れた。紅月家まであと三十分ほどだ。近づいてくると、雅の緊張は高まってきた。
「挨拶するのはオレなのに、どうしてお前が緊張しているんだ?」
「だ、だって...緊張もしますよ!大丈夫だと思っていても!!」
そして、とうとう紅月家最寄りのパーキングに車を停めると、紅月家のチャイムを鳴らす。すると、中からパタパタ、ドタドタという足音が聞こえてきて、玄関の扉がバンッと開かれた。
「おかえりなさい!雅!天城さん!」
「待ってましたよ!さぁ、夕飯にしましょう!」
「お邪魔します。」
雅と千寿がダイニングへと行くと、これまた豪勢な夕飯が並んでいた。雅が琴音を見ると「作りすぎちゃった♡」とすっとぼけた。
「あの、食事の前に私からお二人にお願いがってきました。」
「なんでしょう?」
「雅さんが成人した際、私と番う事を許してほしいのです。それと、アレックスさんの転勤の話し聞きました。これを機に同棲したいと思っております。どうかお許しを願えませんでしょうか...?」
食卓は一瞬シーンとしたが、次の瞬間クラッカーが鳴らされた。
「おめでとう!おめでとう二人とも!いやぁ、めでたい!天城さん、雅の事よろしく頼みます!!」
「雅、良かったわね。しっかりと幸せになるのよ?」
なんて温かいのだろう。二人は安心して身体の力が抜けた。その日の食卓はとても賑やかで楽しいものとなった。




