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地下牢の華  作者: 朱音小夏


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新しい思い出の場所

イタリアンレストランで昼食を済ませた二人は、少し遠くの海までドライブすることにした。聞けば、雅はこれまで海に行った事がないらしい。


「海ってホントに青いんですか?!」

「クラゲが出るって聞いたことあるけど大丈夫なんですかね...?」

「海はしょっぱいってホントですか?」


などなど。雅は海へ向かう際中千寿に質問攻めをしてきた。そして、車を走らせること一時間。ようやく雅念願の海に着いた。


「雅。砂浜に出ると砂で足が汚れる。今日はタオルがないからここから眺めるのにしてくれ。」

「あ、はい!わかりました!でもすごい!!ホントに青くて広い!!」

「お気に召しましたかな?お姫様?」


雅の反応を見て、海に連れて来たのは正解だったな。と千寿は思った。前世では海なんて行く事は許されなかっただろうし、今世ではこの反応を見る限り、来た事は無いのであろう。


「お前の瞳に似ているな。」

「え?」

「光に当たる加減により青さが変わる。オレはとても美しいと思う。」


千寿の急な褒め言葉に、雅は顔を真っ赤にした。その顔を見られたくなくて、千寿に思い切り抱き着いたのだった。


「み、雅?!」

「千寿さんはどうしてこうも恥ずかしい事をサラッと言ってしまえるんですか?!言われてる僕の方が恥ずかしくなります!!」


...雅はどうしてこうもオレの事を煽るのが上手いのだろうか?そんな事をボーっと考えていた時だった。二人の元に女性が集まって来たのだ。


「お兄さんたち兄弟?良ければ私達と遊びませんかぁ?」

「せっかくの海なんだし一緒になかよくしましょーよー!」


甘ったるい喋り方に千寿は反吐が出そうになる。これは強く断る必要があるな。そう思い口を開こうとした時だった。


「僕らは番です。デートの最中なので邪魔しないでください。」

「な、何この子!少し見た目が可愛いからって...。」

「彼の言う通りです。オレ達はオレ達で楽しんでいるのでお気になさらず。」


そう断ると、女性達は"プライドが傷つきました!"と言わんばかりに怒りながらその場から去って行ったのであった。


「まさか雅に先を越されるとは思わなかったな。」

「ふぇ?」

「...いや、何でもない。そろそろ家に向かった方がいいか?」

「あ!そうですね。お願いします。」


そう言うと二人は車に乗り込み海を後にした。帰り際に海を名残惜しそうに見つめていた雅に、千寿が「今度は海に入りに来よう。」と声をかけるととても嬉しそうに、「はい!」と返事が返ってきた。

...本音を言えば雅の肌を他の人間にさらしたくないという思いがあるのだが。


「千寿さん!」

「ん?なんだ?」

「ここが新しい僕たちの"思い出の場所"ですね!」


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