表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地下牢の華  作者: 朱音小夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/44

ファンクラブ

雅は自室のベッドの上でうつ伏せになりながら、足をパタパタとさせて、スマホを見つめる。その画面には"天城 千寿"の文字が。


「ど、同棲してもらえるか聞かないと...だよね...?」


雅は頬を紅潮させながら通話ボタンを押し渋っていた。するとその時、スマホが着信を告げた。相手はもちろん、千寿である。


「も、もしもし...!」

「もしもし。雅か?...なんか声が上ずっているが大丈夫か?」

「大丈夫です!あ、あの...千寿さんに相談があって...。」

「なんだ?言ってみろ。」


雅は緊張しながらも、両親に言われた事をどもりながら伝えた。そして、千寿からの返事を待つ。すると雅が心配していたのが嘘かの様に即答で「じゃあ、ウチに来るか?」と言ってきた。


「え...、いいんですか?」

「もちろんだ。寧ろお前と住めるなら絶好のチャンスだ。...お前は嫌か?」


そんな事を言われてしまえば"No"だなんて言われるわけがない。


「...千寿さんと一緒に住みたいです。」

「なら良かった。それなら今度の土曜、デートしよう。そしてその後にご両親に挨拶をさせてくれ。」

「は、はい...!」


そして、その後はたわいもない会話をし続けた。もう、何時間話しただろうか。雅の声は段々ととろんとしてきていた。


「雅、眠くなってきたか?」

「い、え...だいじょうぶれす...。」


もう呂律が回っていない。千寿はクスリと笑うと雅に「おやすみ」という。すると、雅は反射的に「おやすみなさい」と応え通話を終わらせた。


「まったく。昔も今も、オレを振り回せるのは雅。お前だけだ。」


千寿はウイスキーの入ったグラスを傾けぽつりと呟く。その声音には愛おしさが滲み出ていた。なんて幸せな世界であろう。


「土曜が待ち遠しいな。」


そう言うと、残りのウイスキーを一気に飲み干し自身も眠りにつくのであった。




翌日、雅は学校へ登校すると、何故か注目の的になっていた。なんだなんだ?と思っていると、仲の良いクラスメイトがやってきて雅の肩をガシリと掴んだ。


「紅月!!...お前、天城ホールディングスに何しに行ったんだよ?!」

「え!何で知ってるの?!」

「お前が入って行くのを見てた奴がいるんだよ!」


まさか、見られているとは...。でも会社の中に入っただけで何でこんな騒ぎに?っそう思っているのが伝わったのか、クラスメイトは続けて言葉を発した。


「何でも、お前が出てくるのを待っていたらしいぜ?そんで、お前が高級車で乗って出てくるのを見たって。」

「...暇なの?」

「入学早々ファンクラブが出来てるからそいつ等だろ。」

「え...、何それ知らない...。」


雅は自分のあずかり知らぬところでとんでもない事が起きているのに言葉が出ないのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ