無慈悲なる神
「あぁ、雅楽...こんなに美しく...美味そうだ。」
大和は雅楽の身体を全身くまなく見回すと舌なめずりをした。
「ど...どう、して...ここが...?...それに...僕を買う...金はどこ...から?」
「金などどうとでもなる。そんな事より...再会の時を楽しもうじゃあないか。」
大和はそう言うと雅楽の着物をひん剥いて、その白い身体に手を這わせた。雅楽はただただ涙を流す事しかできない。気分は天国から地獄へと落とされたかのよう。「あぁ、千善様...ごめんなさい」と愛しい彼を想う。そんな雅楽を他所に、大和は自分の欲望のまま雅楽の身体を暴き、抱く。
「あぁ、雅楽、雅楽...!!あの時果たせなかった契りを今ここで...交わそうではないか...!!」
大和はそう言うと自身の欲を雅楽の中へ打ち込み揺さぶる。雅楽からははしたない声が止まることなく漏れ続ける。しかし、その心はここには無い。まるで人形の様にされるがままだ。しかし次の瞬間、雅楽は我に返る。この男、中に出す気だ。いくら堕胎薬を飲むとは言え、楼主である和武にもそこまでは許していない。
「大和様...!中は!中にだけはどうか!!」
「そう悲しい事を言うな...!オレとお前の子...きっと可愛いだろう、よっ!!」
あぁ...あぁ、神様。なんと無慈悲な...。僕は貴方に何かしてしまったのでしょうか...?身体の中に巡る大和の種子に雅楽の心は絶望に染めつくされる。
「雅楽...これで、これでお前はオレのものだ...!!もう離さないぞ...!!」
何故この男はここまで自分に執着するのだろうか。番になってしまったからなのか...?
「...ない...」
「ん?」
「渡さない...!!僕の心は貴方などには渡さない...!!」
雅楽がそう言うと大和は雅楽にビンタをかました。
「...分かっていないようだな、雅楽。お前がどう思おうと、番の契りを交わした限り、お前はオレの物になったんだよ。...まぁ、ここで働く事は許してやる。流石のオレもお前を身請けする程の金は無いからな。だが忘れるな。先も言ったようにようにお前はオレの物なんだ。...いつかその心もオレに向けられるように躾てやる。」
そう言うと大和は着物を整え牢の外へと出て行った。
「...千善様...千善様ぁ...早く貴方にお逢いしたい。...なのにこんなんじゃあ貴方様に合わせる顔がない...。」
雅楽は崖から突き落とされた、そんな気分であった。




