恵
「まずは入部おめでとう!早速、部の紹介をしていくね!ある程度は蒼唯君から聞いてるだろうけど改めて教えるね。ちょっとだけ長いからよく聞くんだよ!」
恵は明るい口調と大きな手振り身振りで宇海に話す。
「この部活の名前の由来はね、私たちが使える元素力について研究する部活だから元素研究部って言うよ!
活動内容についてもう少し詳しく説明するね。まずね、うちは修練組、探求組の2つのコースがあるんだけど、どっちか選ばないといけないんだ。
修練組では元素力を高めるため模擬戦や魔物の駆除なんかを行うんだ。感覚派ならこっちだね。
一方、探求組では元素力の解析や調査を行うんだ。頭脳派ならこっちだね。
ただ、どっちも日々トレーニングはしてもらうよ。研究は実験も考察もしてなんぼだからね!
まぁ、私個人の意見としては宇海ちゃんは強いから、修練組の方が向いてると思うよ。」
宇海は考える。どっちの方が蒼唯に近づけるんだろうと。だけど、そんな不純な理由で決めていいものだろうかと悩む。
しばらく迷っていると、恵は少し恥ずかしそうに手を後ろで組ながら、宇海を見つめてゆっくりと口を開く。
「…私ね、修練組なんだけど宇海ちゃんと一緒に任務したいな」
宇海は目を見開く。
「え、出会ったばかりの私とですか?私は出会ったばかりだけど恵先輩のことすきだから全然いいんですけど……先輩はなんで私とがいいんですか?」
恵はさっきより真っ直ぐ宇海を見つめて答える。
「部長と戦ったあとも言ったけど、宇海ちゃんは感情に左右されやすいと思うんだ。
それが、失礼かもだけど、昔の私に似ててね。
ほっとけないんだ。すごく身勝手だけど、お姉さんに全部任せてほしいんだ。不安なことも、感情の波も。」
恵の瞳は真っ直ぐだった。元気はあるし優しさもある。眩しいはずなのに、瞳だけは曇っていた。恵の言葉を聞いた宇海は明星と共に夜に沈んでいく不思議な気持ちになった。恵の声にはどこか寂しさと虚しさもあった。同時に、宇海への護りたい暖かい感情も確そこに存在していた。それから宇海の手を握り
「それに宇海ちゃん可愛いもん!」
と冗談混じりに明るく笑う。宇海もその明るさになんだか微笑んでしまった。
そして宇海は蒼唯とのことを考えた。宇海は蒼唯に恋してる。でも恋を知ったなら愛に生きたい。
この人となら強くなれるかもしれない。
そしたらきっと蒼唯を守れる。近づくよりも、消えそうな儚い蒼唯を守りたいとそう覚悟する。
「じゃあ私、修練組を選びます!」




