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【32】インパクト後

ほとんどシャルロードのBL観測思考で埋められているうえに内容薄いですが、更新忘れてないよーの意味を込めての更新☆時間ある時にポチポチ打ってます(´Д`;)

 どこからともなく日の光が差し込むリュイのお家は、洞窟なのにとても明るかった。

 最初に招かれた一番広い部屋(洞窟内にある分割された空洞の一つだが、書き表すのが、面倒なので今後これで表記。なんせリュイの『お家』だし。)に、休息をとり終えた皆が集まっている。

 一応目的は達成できたため、今日クロロフィルンの街に帰る予定だ。


「う・・・、頭痛い。吐きぞう・・・。」


 そこには見事に二日酔いになったカチュアさんがいた。

 こういう時、肝臓で分解し切れなかったアルコールが体内で悪さをしているので水分をたくさん摂って排出を促さなくてはならない。


 現在洞窟に居るのは私とカチュアさんとリュイとミーちゃんだ。


 魔獣のポチとハチはどうやら私がぶっ倒れた後、リュイからこの『始まりの樹海』に住むことを許可されたらしく、仲間を連れてあまり法力の影響が無い場所を住み家とするべくその場所を探しに朝早くに出かけてしまったらしい。あのモフモフふこふこをもう一度拝めないのは残念だが仕方ない。魔獣仲間の生活がかかってるんだろーし。


「リュイ、どこかにお水ってある?」

「それならば、家の中に湧水が流れ込んでいる場所がありますよ。」


 リュイに湧水のある場所を教えて貰って、カチュアさんにお水を持って来る事を伝える。その際、地竜様の前でリバースしたくないから急ぎでお願い、と言われた。私には特急移送魔法でリバースさせた本人直々のお願いだ。ゆっくり行ってやろうかとも思ったが、そこは紳士シャルロードとしてやめておくことにした。女性は生来より少し我がままだと思ってお付き合いするほうが楽だと、転生前の飲み友達に教えて貰った気がする。

 ともあれ、私は普通の歩調で水がある場所へと向かった。



「・・・・・・シャル。」



 昨日は色々大変な目にあったが、結局最終的には自分で自分に法術を掛けて体の不調と+αの色々を誤魔化した。けれどやっぱりそれは誤魔化しであって、実際の休息を殆どとっていない私の法力・魔力はぜんぜん回復していないし、体のあちこちが若干悲鳴を上げているのがわかる。法術ってのは一体どういう仕組みで人体の神秘に関わっているのかが不思議だったが、もしかすると元々持ち合わせている自己治癒能力を底上げする能力なのかもしれない。まぁ、それだけでは説明できない事項もあるようだけど。


 ただ、カチュアさんの二日酔いは自力で治していただこう。うん。



「・・・シャル。」



 そういえば、昨日洞窟からの締め出しを免れたミーちゃんと洞窟の持ち主であるリュイがいやに仲良くなっていたような気がする。さっきもリュイの甲羅にミーちゃんが乗っかって寛いでいた。否、私を見つけた瞬間に寄ってきて昨日の魔力吸引について謝り倒されたが。曰く、やはり酔っぱらっていて抑えが利かなかったようだ。


 しかし、これは由々しき事態?

 それとも喜ぶべき事なのだろーか?


 私としてはミーちゃん×キュアンを狙っていたのだけど、もしかしたらリュイ×ミーちゃん(逆もあり?)になってしまいそうな感じだ。

 まぁ、リュイもミーちゃんも好きだし、有りっちゃ有りかなぁ?

 ___ワニとちびコウモリがいちゃつく姿など見ていて楽しくないので、その場合は早急に擬人化術を発動させて頂く所存ではあるけんども。



「・・・シャル?」



 仮にもしそうなったとすると、キュアンのお相手を新たに考えなくてはならない。

 ___無論、キュアンにとっては大きなお世話である事など端っから放置事項だ。BL覇道に多少の犠牲は付き物である。最終的には自然な流れでお互い好き合って貰うので、強制ではない筈だし。



「シャル。」



 さてさて、現段階で残るBL要員は地魔術師のザラキィのみだ。ザラキィは私自身が狙う予定だったが、ここは予定を変更して掛かっていく必要があるやもしれない。ううむむむぅ~。しかしながら、二人の相性は如何程なものか?そういえば、二人って会ったことあったけ?いやいや、顔合わせはしてる筈だ。お互い何故かちょっと険悪なムードだったような気がしないでもなかった___



「シャルロードっ!!」

「ふきょっ!?」


 耳元で急に大声で呼ばれ、私は裏返った声で悲鳴をあげて飛び上がった。


「キュ、キュアン・・・?」

「さっきから何度も呼んだ。」


 思いっきり疑問を投げかけている私の視線に、すぐ傍に立つ大声で呼んできた相手、キュアンが憮然とした・・・少し傷ついた様子で返事をする。


「う、ごめん。ちょっと考え事してたから・・・。」

「ああ、それは何となく分かったが___。」


 キュアンは言葉を一端止め、不意に手を伸ばしてきた。私のうなじに掛かる髪を流れるような柔らかい動作で払い、覗き込んでくる。


「今朝の痕・・・消したのか。」

「っ!?」


 私はうなじを片手で押さえてキュアンを睨んだ。

 

「髪の毛に隠れる位置だったろ。」

「そ、それでもよく見たら直ぐに見つかるよ!」


 ナゼにそんなに残念そうに仰るのか。

 『今朝の痕』とは、えーとアレだ。・・・キュアン様の噛み跡である。自分では確認することは出来ない位置だったが、斑模様になっている事は容易に想像できたので、疲労感と共に+αとして処理させていただいた次第でございます。

 私のうなじはホネッコガムではない。噛むなら別の物にして欲しい。


「もし見つかっちゃって理由を聞かれたら、僕は誤魔化すの下手くそだから酔っ払いキュアンの事すぐに広めちゃうよ?」


 ええ、下手くそな自覚はありますのよ、一応。

 自覚はあってもそう簡単に治せる代物ではないのが難点なだけで。


「俺については問題無いが・・・そうだな、シャルが地竜に簡単に会う事が出来るとバレるのは厄介かもしれんな。まぁ、仕方無いか。」


 自分が噛み癖あるのはバレてもいいの!?

 そこは普通隠したい所だと思ったのに・・・。


 ってか、相変わらずよく気が付くキュアン様だね~。確かにキュアンが酔っぱらった理由を話すと必ずリュイの事喋っちゃいそうだし、となると、会うのが困難とされる地竜に会っちゃってる事まで芋蔓式に話してしまっていただろう。


「体調は大丈夫なのか?」


「うん、へーき。」


「嘘をつけ。疲労が全く抜けていない顔色だぞ。」


「うぐぐ・・・。」


 分かってんなら一々聞かないで頂きたい。

 っていうか、一体誰の所為だか分かってんのか、コラ!


 あの後、眠れなかった件に怒った私は、まだ酔いと起き抜けで準備が終わっていないキュアンを置いて先に広間に来ていたのだ。それなのに、キュアンのヤロォ、全然しおらしくなってる様子がない。最初の声掛けくらい、遠慮勝ちになってもいいと思うんだけどなぁ。うーうーうー。ムカプリオ~。

 ・・・でも引き摺ると喧嘩に発展して長引く恐れがあるしなぁ。仕方がない。ここはキュアンより元年齢大人なシャルロードさんがグッと我慢してあげようじゃないのさ!


 上記はキュアンの声掛けを何度も無視してしまっていた事を忘れた私の思考である。


「帰ったら休息時間をとってから、法術師の依頼だな。結局、依頼内容を確認する時間は全然無かった訳だが・・・。」


「帰るのは一瞬でいけるから、今のうちにやっておく?」


「・・・シャル。例の移動術を使う気なんだろうが、帰りもカチュア・ランバートは居るんだぞ?いや、気絶させれば問題無いか。」


「すいません。間違えました。」


 そゆ事さらっと言わないで欲しい。

 女性にはある程度は優しくして欲しいような、そうでも無いような、立場的に複雑な心境だ。


「じゃあ、確認はクロロフィルンに戻ってからだな。地竜に挨拶してから帰るぞ。」


「はーい。」


 広間に戻る方向へと歩を進めるキュアンに促されて、その後について行く。


 ___ん~、何か忘れてるような?ま、いっか。忘れてるって事はきっと大した事じゃないんだろうし。


 やっと帰って眠れる♪と、私の思考は完全に忘れていた。


 カチュアおねい様への水汲みを。




 その後、カチュアおねい様が崇拝するリュイの前でリバースを我慢できたかどうかは____彼女の名誉の為にも伏せておく。

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