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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
深淵の王子
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18-4 時を超えて

9章 運命、覚醒


女神と呼ばれた少女、アルテミス。

その存在の死から3000年して表れた娘。

娘と入れ違いに、その記憶を持って生まれた娘。


───そして今、同じ銀髪紫瞳を持ち、闇の王子と結婚し、戦争を止めて見せた王女。


紐解けば、それは一つの答えに辿り着く。




♢♢♢




話は、道化師へ舞い戻る。



「これが、僕の知っている全て。そして、僕がこの名前を言えば、彼女は全てを思い出す」


「…お母様…」



道化師は、有りもしないようなルナの記憶の扉に手をかける素振りを見せる。



「もちろん、その人の夫も同様に、前世の記憶を全て思い出す」



天秤にかけるように、彼はそっと触れるように。



「…覚悟は、いいかい?」



戻れないことは分かっているのにも関わらず、道化師は選択肢を根こそぎ奪っていく。

アイリスは、ゆっくりと頷いた。───それが、世界を救うことに繋がるのならばそれでも構わないと。


道化師はふっと歪んだ笑みを浮かべた。

そして、重々しく口を開く。



「ルナ・ブルームーン・S、アリア・レイ・フィンスターニス。今この場において誓う。神々の誓約により、二人の記憶を───」



一呼吸の間が、緊張を増幅させた。



「舞い戻す!」



カァン…と、大きな鐘が鳴り響く感覚がする。

続いてアイリスは、全身が全てを悟ったような感覚に陥るのを理解する。

まるで、今までずっとそうなっていたような。



「…お母様…お父様…」



アイリスは感覚のままに、自らの意識を手放した────。




♢♢♢




記憶の扉が開かれたその瞬間。

ルナとアリアは、頭にひび割れるような痛みと、流れ込んでくる全てを理解した気を覚えた。



「なに…これ…!?」


「ル…ナ……!」



苦し紛れに、アリアはルナを抱きしめる。

落ち着いたように痛みが治まっていく。痛みが収まる頃には、ルナとアリアは全てを理解していた。



「…わたしは、女神と呼ばれし少女、アルテミス…だった」


「オレ…は、何も持たなかった少年、クロノスとして生きていた…」



ぼそりと、二人で呟く。

前世の記憶が完全に開かれた二人にとって、魔物の復活は決定事項。



「アリア様、アイリスは…!」


「大丈夫だ、ルナ」



でも二人は変わらずに、いたかった。


そして、前世の記憶の復活は、エステレアも感じ取った。

ほかでもない、エステレアが彼女に封印を施したし、何よりもルナの母親だから───。



「…ルナは、やはりそうなの…」



寂しげで、悲しい声を絞り出すエステレアの表情は悲痛な母としての顔をしていた。

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