表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
85/135

16ー5 未来を奪いし者

40章 道化師との再来



「話?」


「はい」



くつくつと、歪んだ笑みを見せるのは、あのときの道化師。


暗闇に包まれた冷たい空間で、彼はずっとたった一人。


ひとりぼっち。


アイリスをたびたびひやりとさせ、黒いナイフを身体に突き刺した彼ならば、きっと受け入れてくれる、そう思った。


未来で起きたこと。

ルナやアリアのこと、ソレイユのこと、国のこと………


包み隠さず、道化師には話しておかないといけない気がした。



「……あなたが、ここで道化師として過ごしているのも、きっと何かあるんですよね?」


「やっぱり、君は鋭いんだね」



彼はやっぱりくつくつと笑う。

ひとしきりけらけら笑った後で、彼はふうっと吐息をかける。

魔力が込められた優しげでどこか影を含めたその吐息は、ふわりと少しの灯りを灯す。


彼の壮麗な横顔を照らす。


それにアイリスは息をのむ。


───なんて、哀しげな瞳


その同情と、畏怖の念に襲われながらも見入ってしまう。



「分かっただろう」


「……いいえ」


「強情な子供だね」



道化師はもう一段階灯りを灯す。


明るく、だんだん彼が浮かび上がるような怖さが滲む。

逃げるわけにはいかない。逃げられない。

その恐ろしさを目の当たりにしたとしても。


それを見抜いた態度を見せる道化師は、観念したかのように語り始めた。


真っ暗だったその空間に、ひとつひとつ明かりを灯すように。


ぽつ、ぽつと、ゆっくり。



「ははっ」



乾いたくつくつという笑いを見せる彼を、アイリスは母がしてくれたような慈愛で包む目で見る。


それに気付いた道化師は首を振る。


───要らないよ


そう言うように。



「どうしたのかしら」



高慢でプライド高くそう言う彼女に、道化師はもう一度語り出す。


あの笑いを見せて。



「君に、過去の話をしようか」



それは、誰も知り得なかった。

神話のなかで眠り続ける、女神と王のお話。

さて、次回からは「深淵の王子」編をお送りします


「光焔の王女」が終わったわけではなく、寄り道のような感覚で。


どうぞお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ