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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
83/135

16ー3 未来を奪いし者

38章 敵は、あなた



「お母様を…私は…」


「アイリス?」



後ろから、綺麗で高慢な声。

振り向けば、ソレイユだった。



「………!ソレイユおば様…」


「ねえ────」



しまった、とアイリスは後悔する。



「ルナが、どうかしたの?」


「あ…………」



ソレイユに、隠し事は多分、効かない。

未来からそれを知っているアイリスは、素直に話すことにした。


今までを、隠しすぎた。

ただ、泣いている人に見えてしまっただろう

ただ、嘘を吐いている子供に見えただろう

なのにアイリスを愛し、包んでくれた彼女たちにもう隠す訳にはいかない。



「……話します、全部」


「えぇ、そうして」




♢♢♢




「それは、つまり」


「…………はい」




エレメントを集めて、未来を救う。

それは全員の共通認識。

でもそれだけ(エレメントを)では(集めるだけでは)では足りない。


─────ルナ・ブルームーン・Sという存在を、この世から消さなければならない



「……そんな……」




ソレイユが絶句する。

大好きな妹が、死ななければ終わらないなどと言われて、誰が信じられよう。



「でも、分からなくは……ない」



頷く。



「あの時、あなたの悲しみをみた気がするから」


「でも私は、お母様を殺したくない!」


「アイリス…………」



ソレイユは、あの日みた夢を、話した。



ぼんやりとした世界の輪郭に、何かが自分の中でうずき回って痛みをさしたこと。


血にまみれた手のひらが、視界に映し出される。目の前には、オッドアイの瞳と、少年のように見える短い髪が、叫ぶように槍を振るっていたこと。



「…アイリス?」



ここは、どこ──と辺りを見回せば、そこは荒廃した闇の城に見えたこと。



「──!!」



何かを、ずっと、叫んでいる。でも、聞こえない。その声はまるで、ルナみたいだったこと。


次の瞬間、アイリスの周りを焔が覆ったことも。



「アイリス…まさか…!」



声にならないソレイユの声が、ずきずきと身体を痛めるように響き、反響する身体があまりにも激痛で、ソレイユは心うちで痛みを叫び続けたということも。



「アイリス───っ!!」



その瞬間、こっちに振り向いたアイリスは微笑んで──泣き顔を晒さないよう必死に笑ってまた自らに焔を被せるように、姿を消した。


次に瞬きをしたときには、彼女の姿は無くなった。跡形もなく、ただ焔で作られた魔法陣と誰かの形見のような剣をそこに突き刺して。



全部、全部話した。



「やはり、見られていたんですね……」


「え?」



ソレイユが首を傾げると同時に、アイリスは乾いた微笑を見せた。



「ソレイユおば様が未来で死んだ時、私は諦めました。死の魔法を自分にかけました。でも、神は死ぬことを許して下さらなかった。だから、過去を変えて、未来を救おうと思ったんです」


「…そんな、ことが、まだ16でしかないあなたに…」


「それに、お母様は絶対に未来を変えてくれる、そう信じているから、私はここまでこれた。でも、その報酬は、お母様を殺すこと。

これは、私がやらなければならないこと」



オッドアイがまばたきする度に綺麗に揺れる。

うっすら涙を浮かべて、少女はもう一度、力無く笑った。

ついに、光焔の王女も佳境を迎えました。

ここから、どうなって行くのか自分でもワクワクしています。

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