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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
78/135

15ー4 救うために

34章 再来


カツン……と落ちた槍は、その場に捨て置かれるようにして沈黙が訪れた。

憎悪、喜び、感嘆、色んな思いが絡まり合い、交錯している。

そんな中で、長い沈黙を破ったのはソレイユだった。



「あなた達は、一体、誰……?」



焔の王女が目の前にいたルナが槍を拾う。

にこりとアイリスは微笑み、後ろにいたもう一人のルナも笑みを浮かべる。



「わたしは、未来からきたあなたです」



恐る恐る告げるルナに、アイリスはこくりと頷いて共感を示す。

そしてソレイユとルナの二人は驚き、目を見開いた。



「わたし……?そんなこと…」


「ルナ、古い文献にあるわ

 多分【時の守護者】のお力でしょう」



幼い頃から帝王学を学んできたソレイユがぴたりと言い当てる。流石、第一王女としての彼女の振るまいだ。

アイリスはその溢れ出る獅子のような気迫に気圧され、一歩後ずさった。



「何のようかしら」


「戦いにきたのではありません」



ソレイユの前にルナが跪く。

二年前はこんなこと起きなかったと思いながら、あの凄まじいブルーメの魔法を思い出してゾッとする。背中に冷や汗が伝った。

一言ずつ絞り出すようにルナは二人に説明する。


ソレイユが命の危機だということ、この子は将来会うであろう娘であること、光と闇の戦争が無事に終わること。


そして、今未来を救おうとしていること。



「…」



そんな事があるのか、という目で二人はみていた。しかし、聖月石のはめ込まれた指輪、聖槍クレ・リュミエールもルナがきちんと持っており、その髪色と瞳の色もある。

ましてや焔の力を携えた王女がいることで、多少の信憑性はあった。

もちろん時の守護者は、この頃の二人からしたら未知なるもののために完全には信じて貰えていないが。


戦う意志がないことを分かってくれているため、アイリスとルナは安心した。



「それで、あなたたちはわたし達を救いにきてくれたのですね」


「ありがとう、光の女王エステレアに代わり、礼を言うわ」



すっと美しい礼をして、白いローブを靡かせるソレイユの金色に光る髪が揺れる。まるで神を見ているような神秘があるような。

ずっと見ていたくなる感覚に襲われるが、ふるふると彼方へ飛ばす。



「まず、ブルーメをなんとかしないと」


「はい、お母様」



拘束魔術をかけ、光の王国の城へと連れる。

もちろん、結界も張り直した。でも、それはこの世界のルナが行った。



「これで、一安心かしらね」


「光の使者に心からの礼を」



城で対応してくれたのは女王エステレア。執務で応じる彼女は、母として見せる顔とは全然違っていた。驚きもしたが、その溢れる威厳にルナは何故だか嬉しくなった。

知らなかった母を知れたからか。それとも。


無事に王宮を出た二人は、大きく空を仰ぐ。

とうとう今年もあと1日ですね

皆さん、良いお年をお過ごしください!

HAPPY NEW YEAR!

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