14ー1 過去の力
26章 未来なんて、無かったから
「あいつ?」
ソレイユがきょとんとして聞くと、アイリスははっとした顔で、なんでもないです……と言った。
なんでもないと、それだけ。
「…私が、この過去に来たのは、『あいつ』のせいです。
今、あいつはどこかで生きているのだろうと思うと、怒りがこみ上げてきます。
…でも、私は進まなくてはいけない。
一刻も早くエレメントを持つ人を見つけて、女神に祈りを捧げなければ…」
「アイリス、無理は…しないで」
「はい。でも、私は大丈夫です。倒れている暇なんて、ありませんから。」
「…ルナと同じで、諸突猛進なんだから…」
ぼそりとソレイユが独り言のように言ったところへ、ちょうどルナが現れた。
「二人で何をはなしていらっしゃるの?」
「ルナ、ふふ…あなたのことかしら」
「そうですね、ソレイユ伯母様」
ルナは?マークを浮かべていたが、二人はわかだまりも解けたように分かち合っていた。
「それで、エレメントを持っている方がいらっしゃったみたいなんです。
私の月、お姉様の太陽、アイリスの焔、アリア様の刻、マリンの水、お母様の星。残りは3つ。闇の城のどこかに一人いるみたいなんですが…心当たりはありますか?」
そこまで言われ、アイリスはどきっとした。
黒いナイフのあの人──道化師は、異常なまでに全てを跳ね返した。魔力も、呪いも、エレメントも。
もし、彼が闇のエレメントを宿す者としたら…とアイリスは思った。
「…いいえ、ありません」
「闇の城は公務で行くこともあるけれど…分からないわ
アリア王子に聞くのは駄目なの?」
「アリア様は多分…わたしに何かを隠しています」
「あら…」
「だから、聞けないんです」
お父様がお母様に話さないことなんて殆どなかった──アイリスは今自分がいることで、アリアがルナに話したくないことがあるのでは、できたのでは…と想像を巡らせる。
しかし、巡れば巡るほど分からなかった。
「…だから、大丈夫ですよ」
ルナが言い終わるころに彼女の想像が終わったが、肝心の中身はアイリスには一切入って来なかった。
ルナはそれだけを伝えて去っていき、ソレイユも、じゃあ、またくるわ──と言い残して光の城に戻って行ったが、アイリスはその場に立ち尽くしていた。
「…どうしてでしょう…」
アイリスも、いつものように転移魔法で
ひらりとまたどこかへ、去っていった。
最近忙しくて、あまり手が回りません…
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「光と闇のファンタジア」7-幕間wisret更新しました。
本編では語らなかったウィスレットの正体が描かれています。
そちらもぜひご一読下さい




