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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
69/135

13ー5 黒いナイフと道化師と

25章 虹彩


「…悲しい焔…」



ふと、ソレイユは呟いた。

あの古城に、ルナとソレイユがいる。

二人は今日も…魔物を倒し、手がかりを追っている。…でも、おかしい。彼女は未来から来たのに、どうして何も知らない──?



「二年前のあの日…ブルーメに襲撃されて致命傷を負った私は…」



思い出しながら、ソレイユはその手を空に掲げた。その金の髪が、優しく、哀しみの色に染まるように、青く澄んだ瞳には血の色が浮かぶよう。



「あの惨劇は…忘れられない」



一粒の涙をその胸に零して、彼女はゆっくり瞳を閉じた。


───これは…夢?


ぼんやりとした世界の輪郭に、何かが自分の中でうずき回って痛みをさす。


血にまみれた手のひらが、視界に映し出される。目の前には、オッドアイの瞳と、少年のように見える短い髪が、叫ぶように槍を振るう。



「…アイリス?」



ここは、どこ──と辺りを見回せば、そこは荒廃した闇の城に見えた。



「──!!」



何かを、ずっと、叫んでいる。でも、聞こえない。その声はまるで、ルナみたい。

次の瞬間、アイリスの周りを焔が覆った。



「アイリス…まさか…!」



声にならないソレイユの声が、ずきずきと身体を痛めるように響く。

反響する身体があまりにも激痛で、ソレイユは心うちで痛みを叫び続ける。



「アイリス───っ!!」



その瞬間、こっちに振り向いたアイリスは微笑んで──泣き顔を晒さないよう必死に笑ってまた自らに焔を被せるように、姿を消した。


次に瞬きをしたときには、彼女の姿は無くなった。跡形もなく、ただ焔で作られた魔法陣と誰かの形見のような剣をそこに突き刺して。



「…!あ……」



瞳を真開いて、ソレイユは立ち上がった。

眠りから目覚めた感覚ではなく、激痛が無くなった開放感が彼女を襲う。



「何だった…の…?」



息が切れるほど酸素を欲する肺と、バクバクうるさい心臓が、彼女を嫌な予感へ誘う。



「アイリスとルナに何が…?」



一人立ち尽くす彼女の足が、彼女たちに向かって走り出した。



──叔母様、まさか……

ソレイユがアイリスたちに向かう一方で、アイリスは変な悪寒に襲われていた。

何かを見られてしまったような感覚がする。



「もし…もしあの剣と魔法陣のことが…」


「アイリス!」


「…!ソレイユ…叔、母…様」



怯えるような瞳で、アイリスはソレイユを見る。



「どうしたの?」


「…い、いえ、なんでも

 それよりも叔母様、どうかしましたか?」


「ねえアイリス…あなたがいた未来で、あなたが使った焔は、惨劇になんかしてないわよね…?」


「…!…違います…あれは…私じゃない…

 あいつが…すべては、あいつが!」

こんばんは(*・ω・)

今日はソレイユに焦点が当たっています

光と闇のファンタジアにて、襲撃を受けているソレイユの二年後の一幕のような。

一波乱ありそうです

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