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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
67/135

13ー3 黒いナイフと道化師と

23章 昔の話


花が咲く離宮の庭、ルナは紅茶を淹れながら、アリアとのんびりしていた。



「アリア様」


「ルナ、どうした?」



ルナは、アリアの隣に座った。



「…もし、わたしとの結婚が無ければ、アリア様はどうしていましたか…?」



彼の目を、まっすぐ見つめる。

少し考えて、アリアは語った。



「…そうだな…」



その声は、まるで……



「君を、ナイフで刺し殺していたかも…ね」


「…あっ……!!」



ばさ…と音を立てて起きた。

夢──とばかりに冷や汗が伝っていく。おぞましかった。



「ルナ……」



隣で眠っていたアリアが無意識に彼女を抱き寄せる。

怖くなって、ルナは足早に着替え、カーテンを開けて彼を起こした。



「ルナ、おはよう」


「アリア…様」


「…どうしたんだ?」



心配そうに身体を起こしたアリアが、ルナのおでこに唇を落とす。顔を赤らめるルナを、アリアは優しく抱き締めた。



「さっき…夢を見ました」


「夢?」


「二人で、お茶をしている夢─…」



そのことを話すと、アリアはルナをお姫様抱っこして、外に連れ出した。



「アリア様?」



早朝の肌寒くて、濃霧の広がる古城の辺りを歩く。ルナは腕の中で、すぅ…と深呼吸をして心を休める。



「アイリスが…闇の城に行ったまま…帰りません…」


「闇の城は結界があるから、大丈夫だ。今は…お前の方がよっぽど心配する顔してる」


「もう…娘の心配もしてください…」



分かってるよ…とアリアは呟いた。



「アリア様…覚えていますか?」


「…ん?」


「三年前、ここで歌ったこと。」


「ああ」


「逃げるな、戦え。いずれ分かるだろう──なんて言われる夢を見て、戦争が始まって。無事に和解できて、死人も少なくて済んだ。…少なからず、なくなった方はいっぱいいたけれど。

 それから、アイリスが生まれて、蒼で焔の渦によって未来から来たアイリスとも出会えて。

 もしも、あれが協奏曲(ファンタジア)だとするならば、あれはただの序章で、今はきっと…四重奏(カルテット)だったりして」


「なぁ…四重奏なら、オレと、ルナと、アイリスと…あと一人は?」



え?ときょとんとするルナにも、後一人が、分からなかった。



「はあ…はあ…」



書庫の中、一人、じっとりと汗をかいているアイリスは…闇にむしばまれるようにその場に立ち尽くしていた。

呪いのことがかかれた神聖文字の書物を開きながら。



「ここで、止まるわけにはいかない

 あいつを倒すまで、わたしは……!」



また、オッドアイがひらひら揺れて、数冊の本を持って、また焔を纏ってどこかへ転移していった。


一冊──「焔のエレメントは、その力により永久無限に力を扱える」ことが書かれている、もう幾度も未来で読んだ本を置いて。

伏線を回収しなければ、と思い続け回収しないということになってます

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