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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
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13ー2 黒いナイフと道化師と

22章 わたしの呪いと黒いナイ


「…ここだ。好きに使って良いよ」


「ありがとうございます…お祖父様」


「私はエレメントを持たない王だ。何か出来ることがあったら、言ってくれ」



再度お礼を言って、アイリスはその大きな書庫に足を踏み入れる。


──お父様もお入りになられるのかしら…と、アイリスはキョロキョロしながら見渡すと、古びた本が新しい書物の所にあるのを見つけた。気になって手を伸ばす。



「…これは…?」



光の王国──古のトリクル要塞の女神の時代の言葉である、神聖言語で書かれていたその書物は、古い魔術書のようだった。

ぺらぺらめくると、そこにはアイリスが知り得なかった「呪い」のことが詳しくかかれていた。


教えて貰えなかったお母様の呪い──ルナですら、ほんの一部しか触れることが出来なかった呪いをアイリスは未来で見た。

でも、この世界の今生きている母の呪いの進行は防げない。

少し苦労しながら読み進める。──と、黒いナイフの記述が出てきた。



「黒いナイフは、呪いを授かる者の子らに受け継ぎし者──

 呪い持ちの子供が、親の呪いを目にしたときに親を殺すための道具──…」



そのナイフを刺されたアイリスが死ななかった、死ねないのは、呪いを授かりし者の子供であるからだった。もし、黒いナイフがルナに突き刺さっていれば、ルナの身体を突き破り、命は…無い。


さらに読むと…またアイリスが知らないことがかかれている。



「…しかし、呪い持ちの子が黒いナイフを自らに刺した場合

 ───その子に呪いが移ることがある」



つまり、さっきのナイフによって、ルナの呪いがアイリスに移った可能性があるということ。でも、それは違うと、ロワと歩いた廊下の鏡が物語る。オッドアイと、その髪色は…前のまんまで、呪いの印になる焔の聖痕にも変化は一切無かった。



「ふぅ……」



一息、大きく溜め息をついて、アイリスは少しだけ目を閉じる。


『僕はいつでも君を見ているよ──』


あの気味の悪い、低い声が頭にこびり付いたように離れない。

ニタニタ笑う口と、あの魔力を纏った暗闇。



「……気持ち悪いわね」



床を睨み付ける。──と、背筋がぞくりとする感じがして、一瞬心臓が凍りついた。凍てつく身体中の温度は急激に冷や汗で下がり、滴る汗が床に落ちる。その一瞬は…アイリスにとって、止まれない。止まることを許されない一瞬だった。

お久しぶりです(●´∀`●)

筆者の都合上、当分の間週一回の投稿になりますが、気長にお付き合い頂ければ幸いです

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