12ー2 エレメントの力を
17章 太陽の祈り
「…その程度の覚悟なら、さっさと帰りなさい
ここはあなたがいるべき場所じゃない。」
ソレイユはそう言い残し、去っていった。
「…」
アイリスは掌を握り締め、悔しそうな表情をしている。何も言い返せなくて、悔しそうなその顔は、まるでルナそっくりだった。
「帰りませんから…私は…」
彼女は焔を身にまとって、ふわり、ひらりと舞う。
オッドアイが揺れ動き、目に見えない何かと戦うようにひゅん、と姿を消した。
「高度な転移魔法…
アイリスの身体には大変な負担じゃ…!」
「ルナ、大丈夫よ
あの子は、普通なら信じられないほどの魔力がある。
私達よりずっと魔力を扱えるわ。」
「…アイリス……」
マリンがルナにそう言って、ルナも光を纏って同じ魔法で消えた。
───光へ手を伸ばす
───かげりなき白き心
───女神たちの
───御加護を賜りて
───歌う星々
───太陽
「…どうしたら…良かったんだろう」
あの湖のほとりで、アイリスは呟いた。
「だって私は……焔の力のせいで…あの世界を…!」
「…アイリス。」
「お母様…今の聞いて…!?」
「いいえ、知らないわ。」
「…そうですか」
アイリスは、短い髪をさらりと手で拾い、湖に自分を写した。
「…どうしたらいいか分からないんです。
未来から逃げてきたような私を、私は許せない…
女王に、ならなくてはいけないのに、私は…!」
「うん、アイリス。
自分を許せなくていい。でも、あなたは未来を救うために来たんでしょ?なら、救えるものを救わなくてどうするの。
進まなくちゃ、何も出来ないの。いい?」
「…お母様…はい!」
母として、強くならなくては、とルナはアイリスの手を握って神殿にまた転移した。アイリスの魔力と、自らの魔力が衝突して焔と月がきらきらする。
「…マリンさん。」
「アイリス、お帰り。」
「…私、救います。未来を、この世界を。絶対。」
「うん、それをソレイユ王女に、ぶつけてきなさい。」
「あ…はい…!」
瞼をぎゅっと閉じて、もう一度開いてから、彼女はまた走り出した。ソレイユに、自分の思いを伝えて、どうしても未来を救いたいから。
「ソレイユ…王女!」
「…何?」
すう、と深呼吸をして、ソレイユは告げる。
「…私は未来を救って見せます。
女王として、焔の力を持つ者として!」
「…ふふ、合格よ。」
ソレイユの身体から太陽のように眩い光がぱあ、と現れる。
「やって見せなさい。あなたなら。出来るわ。」
「はい!」
───過去のエレメントは、残り4つ。




