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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
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12ー1 エレメントの力を

16章 獅子王女ソレイユ


「ばれたら、どうしましょう…」


アイリスとルナが神殿で悩んでいたその時、こつ、こつと音がした。後ろを振り向く。


「私は光の王国第一王女ソレイユ」


煌々と輝く太陽のようなまとわりつくオーラを放ち、彼女は颯爽と歩く。

そう、ずっと前、彼女が傷を負う前のあの威厳のある美しく強い彼女がそこにいた。


「お姉…様?」


「何をずっと隠しているの、ルナ。」


「お姉様…そのお姿は…」


ルナが彼女の服や身体を見る。ソレイユは迷いの無い瞳で告げた。


「…これは、太陽の力よ。太陽神に望み、私がそうした。

 あなたが、危なっかしくて、おっかなくて。

 …戦争で何も出来なかったけれど…私も連れて行って。」


「でも、でも…」


迷うそぶりを見せるルナに、肩をとんと叩いてソレイユは奥にいるアイリスをちらりと見る。


「いいから。それで、私やお母様に隠しているその子は誰?」


アイリスはぴくりと反応してぼそ、と独り言のように言った。


「…ソレイユ叔母様なのですね。」


「その力の波動はアイリスかしら。」


「はい」


「あの、これには訳が…」


おろおろするルナを、ソレイユは諫め、アイリスに話す。

まるで世界を見渡すように。


「大体分かるから。力の波動が私と似ていて、焔を表す。

 そのオッドアイはアイリスしか持たない物よ。

 どうして、この世界の真理に反しているの。すぐに帰りなさい。」


「…それは出来ません」


きっぱりとアイリスは告げた。その瞬きする度オッドアイが揺れるように力の波動を、ソレイユに伝える。


「どうして?」


「未来を変えるためです。」


そう言うとソレイユは表情を少しだけ変えた。


「…何か、あったのね?」


「はい」


「その世界に、私はいないでしょう?」


「…はい」


「ルナも、アリア王子も死に、あなただけが残り、エレメントの力で来たのでしょう、三年前のあの日に。」


「そうです。私はあの暗黒の未来を変えるために来ました。もう私は後戻りを許されません。だから…あなたが何を言おうと私は未来には帰れない。」


「お姉様がどうしてそれを…」


「…見たからよ」


「え?」


「石碑の前で怪我を負って、お母様の魔法が使われたあの時、見たから。あなたが要塞の神殿でしていることを。

 そして、あなたが持っていた全てを。」


そのあまりにも暗く辛そうに話す瞳には、じんわりと涙が浮かんでいた。アイリスの代わりに泣くかのように。


「…あなたに、何が分かるんですか…」


泣きそうな声を漏らしてアイリスは堪える。次にアイリスを見れば、彼女は後ろを向いて焔の力を辺りに漂わせていた。

憎しみに染まった悲しい焔を。

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