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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光焔の王女
58/135

11ー4 わたしにとって、あなたは

14章 少年の正体


「…お母様…!」


「ごめんなさい…アイリス…」


「違う…!お母様が謝ることじゃない…!

 悪いのは全て私!私が…未来を…」


「なあ、アイリス。オレたちに全て、語ってくれるか?」


「…アリア…さん…」


分かりました─といってアイリスは全てを話した。


アイリスは未来から来た。

未来ではエレメントの力は衰退し、アイリスの持つ焔の力でしか均衡は保てなくなった。

そのエレメントの衰退により、それぞれに封印されていた9つのエレメントの力が解き放たれてしまい、魔物が蔓延し、王国も滅亡の危機に貧してしまった。

だから、自分の生まれたころに戻って全てを変えれば、エレメントの衰退は防ぐことが出来るのではないかと考え、9つのエレメントの力で二年前に仲間と共にここに転移してきた。


「…だから、私が悪いんです。

 仲間と離れ離れになったから、あの戦争は防げなかった。

 トリクル要塞の地下遺跡にずっと潜んでいました。

 ルナ…お母様にそれがバレて、仕方なく私は真実のかけらをお見せしました。」


「つまり、9つのエレメントの力を集めれば、アイリスのいた未来は救えるんですね?」


「それだけでは…足りないのです。」


未来を救うには、9つのエレメントの力を持つ9人を集め、さらにアイリスと共に転移してきた9人の力を持つ仲間も見つけなければならない。

そして、未来へ戻るにはトリクル要塞の地下遺跡に行かなければならず、未来では魔物がうじゃうじゃいる中でエレメントの力を復活させなければならない─という10代の少女には過酷すぎるほどのことだった。


「…そう、なんですね。

 わたし達が1年をかけて力について調べたのに…

 それをまさか…こんなことになってしまうなんて…」


「嫌なら、もういいんです…

 お母様とアリアさんの顔を見られて…嬉しかった。」


「なぜオレの事は父親なのにアリアさん…なんだ?」


「…なんとなく…その方が良い…かと」


「お前がいた未来のように接して欲しい。」


「…お父様…」


するとマリンが、アイリスの核心に迫る質問を投げかけた。


「見られて嬉しかった?あなたがいた未来での二人は、どうなってしまっているの?」


「マリンさん…

 お母様も、お父様も、マリンも、みんな未来で、私達を守ろうとして、聖界で…」


「…!」


「…辛い思いをさせて…ごめんね…アイリス」


優しく頭を撫でると、アイリスは子供のようにルナにすがり、抱き締めてもらって涙を流した。


「でも、お母様…とてもお綺麗…」


「え?」


拍子抜けして声を出す。


「私…聖界で育てられて…お父様にもお母様にも殆ど記憶がなくて…最後に見た二人の顔は血にまみれて…全然、もう分からなかったから…」


「…」


ルナは途端に、自分が生んだまだ小さなアイリスを聖界に置いて来てしまったことを後悔した。

この子にそんな思いをさせてしまっていた。そんな自分が情けない─と。


「ならまずは…トリクル要塞へ向かいましょう。」


転移魔法の詠唱を使い、ルナたちはトリクル要塞へと向かった。

アイリスは、光と闇のファンタジアにも出てきたあのマリンに扮した少女。

あれより二つ年を重ねた彼女にも新たな試練が立ちはだかろうとしています。

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