5ー4 王の元へ
24章 女王の終焉
それからルナはアリアに真実を話せず
神殿にも行けなかった。
なぜなら、女王エステレアが、殺されたという報せが入ったため。
ルナは、庭でずっと槍を振るっていた。やるせなさと、申し訳なさでいっぱいだった。
「それは、本当なのですか?」
ルナは一度、レンディスに聞いた。だが、曖昧だった。レンディスでさえも、戦時中の敵国だったところのことは深く分からないようだった。
「いや、まだ分かりません。
ですが、本当ならとんでもないことです
ソレイユ王女が継ぎ、そして
ルナ様がが継承権1位になります」
「…そんな、お母様…!」
レンディスは静かにルナに告げる。
ルナは、決心したようにアリアに言った。
「…闇の王を打てば、戦は終わりますか?」
真剣で、濁りも嘘もない彼女の一言ひとことは、アリアの胸をいつも射抜く。
難しい顔で少し思考したあとで、アリアも答えを返す。
「…そうだな。オレが闇の王を継ぐことが出来れば戦争は終わらせることができる。だが、父を討てと言われると、やはり…」
「そう、ですよね…」
それから、ルナは要塞からこっそり抜け出して、一人で女王の元へ行った。
美しい城の中に入ると、執務室の前ではソレイユが立ちすくんでいた。
ソレイユを呼べば、きっと姉は「どうしたの」とルナを心配してきてくれるだろう。
でも、こんなときにそんな事…とルナは迷った。迷いながらも、ルナはソレイユに呼びかける。
「…お姉様」
「ルナ、お母様が…」
お母様、という言葉に「ぁ」という嗚咽をこらえきれなくなりそうなルナは、早々にソレイユに詰め寄る。
「やはり、お母様は…」
「ううん、違うわ。」
その言葉に、ルナは深く安堵する。
本当に良かった…と涙が流れそうだった。
でも、ソレイユの次の言霊によってまた不安に変わった。
「お母様は、今石碑にいらっしゃるの
でも、なんだか嫌な予感がして、私…」
「…お姉様…石碑に、行ってみませんか?」
「…え?」
それは、咄嗟に口から出た言葉。完全に出任せだった。
でも、母が心配という気持ちに嘘は一切ない。
「わたしだって戦えます。
だから…お母様…をお助けしたいのです」
真っ直ぐソレイユを見据えるルナに、ソレイユはやれやれという風に頷く。
それは、姉が妹のために何かを譲ってあげるような。
「…分かったわ。行きましょう。」
裏で暗躍する少女が、にやりと笑った。
女王とソレイユはどうなるんでしょう
そして、ルナと暗躍する少女はー…




