4ー4 蒼の守護者
19章 あの日の歌
───光へ手を伸ばす
───かげりなき白き心
───女神たちの
───御加護を賜りて
───歌う星々
───太陽
───気高く、全て統べて
───闇の消えゆく暁
───世界は
「…終焉を告げる…
わたしには手を伸ばすことの叶わない
光と、闇…」
もう、かげりなき白き心など、わたしには存在しない
光には、手を伸ばしてはいけない
そう、ルナは自分に言い聞かせた。
そして、また日は沈み、朝が来る。
「皆さん。今日は、闇の王国のティラリア高原に行きます。
ここには今、闇の軍の主戦力が集まっています。
食い止められれば、光の王国が陥落する心配も当分減ります。」
「…そうだな。
キリアスとリンはトリクル要塞で警備
オレとルナとマリンでそちらへ行こう。
状況の視察には、オレとレンディスで向かう」
「はっ」
「御意」
「わかったわ。」
ペガサスに乗り、ティラリア高原へと空を駆ける
「…闇の王は、光への侵攻をやめる気配がありません
一度、王に会いに行かなければ、ずっと…」
「ルナ。今は目の前の戦を考えろ
…来るぞ、避けろ!」
ルナの横を矢がかすめる
「相手は弓兵だ。ペガサスが危ない。
ここで降りて、動向を見てくる。」
アリアたちが偵察にいった。
「皆さん、戦闘準備を!」
近くの岩に隠れる。ペガサスをそこに居させて
高原へと向かう。
「これはこれは、光の王女ルナ様」
「…あなたは?」
「私は闇の王国の道化師、バリオン
さぁ、血みどろの戦いを始めよう
死ぬのはお前らか、それとも私たちか
お前が死ねば、いい金が手に入るんでな」
「つまり、わたしが死ねば、皆さんを助けてくれるのですか?」
「はい。あなた以外の者には指一本と触れませんよ」
「なら、その証拠に、あなたの服の中に入れている私たちを拘束するための縄を出してもらえる?」
「マリンさん?」
「…やはり蒼の守護者の透視能力は侮れませんな」
「透視能力?」
「ええ。蒼の守護者を継いでいる者は
透視能力を持っているのよ。」
道化師は服からするりと縄を取り出す。
仮面で顔を隠しているが、蒼の守護者の透視能力は全てを見通せる力を持っている。
「あと、そこら中の木に隠れている暗殺者も出て来なさい。」
そう言うだけ言うと、マリンは詠唱を始める。
あの時の
───水の中で眠る少女
───力を持ち、封印されしペンダント
───我その力併せ持つ者なり
───湖の守護者よ、我力を欲す
「これは封印されていたはずの水力?」
「残念。封印はされていないわよ。」
そう言うと水の渦に軍を巻き込み、
前に軍を飛ばした方へと渦を回していった。
「道化師サマ?さあ、一対一の真剣勝負を始めましょう?」
「ちっ。ああ分かった。
だが戦うのは王女様の方だ。
それ以外は受け付けない。」
「分かりました。受けましょう。」
その時、アリアが叫んだ。
「危ない、ルナ!」
後ろで刃物の音が響いた。
「何を考えているのかしら
私と同じ姿をしたあなたは。」
「…」
「…あなたは、この間の…
わたしには、敵意などないと仰っていたはず…」
「…敵意はない」
「嘘をつくな、ルナに何を…」
「あなたには見えないのか…
仕方ない。ここは一旦戻るとしよう」
「おい、待て!」
その一瞬で彼女は消え失せた。
殺そうと目論んでいるようにも
助けたようにも見える彼女。
何を考えていたのか
これ、ちょっとした訳があります
何故かは、まだ言えないんです(・・;)




