3ー3 わたしの選択
13章 戦
闇の侵攻により光は地へと墜ちていた。
蒼がなくなりかけていた。
闇と光が併合する時が、近付いているように二人は感じていた。
そんな事はつゆ知らず、太陽は今日も昇る。
「人が人を殺し合い、憎しみが生まれる
あっては、いけないことです
なのに、なぜ闇の王はこんなことを…」
「…そうだな」
返事が遅れたアリアの顔を覗き込む。
「…アリア…様?」
「なんでもない」
「…そうですか」
ペガサスに乗り、聖槍を構え飛び立った。
アリアもそれを追う。
「…このまま飛んでいても何もできない
せめて、何か策を考えなければ…」
「そうですね」
すると、煙が立ちこめた。近くの集落からだ。
様子を見ると、山賊らしき者たちが村を破壊していた。
「っ!アリア様、行きましょう!」
「…ああ。」
気付かれないように木陰でペガサスから降りる。ルナは聖槍を構えて進む。
「…何者だ!」
気付かれた!
近くの家に素早く身を隠し、息を潜める。
「どこだ?探せ!」
見つかるのも時間の問題。
意を決して、ルナは姿を表すことにした。
「これ以上、この村を壊させません!」
「女だ!お前ら!やれ!」
一斉に襲いかかってくる
戦闘の経験は模擬戦でしかない。
その時の剣技で!
キィイイイン………!!
剣の重々しい音が鳴り響く。
鈍い輝きを見せるそれは、まるで人間の畏怖をまるごと写し出す。
「…やあっ!」
「ぐっ…!!」
「はあっ…はぁっ…」
近くに血が滲んでいた。
自分がやった。そして人の身体から流れ出す。
「…あ…」
「お前!よくも!覚悟っ!」
恐怖で足が竦んだ。
「やめてください…!」
叫ぶと同時に槍を突き出してしまった。
「あっ!!」
「う……!」
小さくうめき声を上げて横たわった。
彼に駆け寄ると、彼は小さく、虫の息で言った。赤黒い血液をあたりに散らし、骨も肉もはみ出したような有り様で。
「すまなかった…今まで…ありがと…な…」
槍に突き刺さった身体には傷ができとめどなく血が流れ出す。
あたりに広がり、そして…
「アリア様…わたし…人を、殺めてしまいました…」
「ルナ。お前は、正しいことをした。
悪を絶った。お前が後悔していても、お前は…」
優しく諭すアリアに、ルナはつい感情的になった。縋るように、泣きながら、自分を責め立てる。
「でも!あの人には、家族だっていたはずです!
槍が刺さった時、あの人は誰かに謝罪と感謝をしていました。
これのどこが、正しいのでしょう
戦といえど、わたしは…」
「ルナ。大丈夫だ
そう思うなら、これから取り返せ
それか、お前はこの戦争が終わるまで、
安全なところに居たっていい」
「それはできません!
あなたを殺されたら、わたしには…」
すぐさま告げるルナに、アリアはまた優しく言う。月からとったその美しい名前を。
「…ルナ」
これが戦なのだ、と言い聞かせたルナ
彼女たちの戦いに正解は無いのかもしれません
というよりも、こういう小説には正解なんて
きっとなくて、作者さんによって違う物語が
広がっているのがまたたまらない(*・ω・)




