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夜空を映したユメsteXllar -ステラ-  作者: 渚桜
ゲームスタート
13/55

10話 ー 水無星学園の星見祭 ー

今回出てくる"平静"と言う中国語ですが、1時間程調べ、和訳すると『和む』、読みは『ピンジン』だと判断しました。


何故判断した、と言う言い方をしたかと言うと、中国語で『和む』を検索した結果、他にも安静(癒し)などが『和む』の中国語訳として検索で引っかかったので、細かな意味合いなどを色々調べた上で、平静を使った次第です。


様々な中国語の『和む』の中でも、"平静"は特に『気持ちが和む』など人の感情を強く表していると判断しました。


なので、もしかすると中国の方や中国語を嗜む方にとっては違和感がある使い方かも知れませんので、お気付きの方は、感想やツイッターなどでお知らせいただければと思います。

 



 翌日。



 予知夢も普通の夢も見なかったオレの目覚めは良く、いつもより少し早い時間に起きてしまう。

 朝食の準備をしようとリビングの先にあるキッチンに向かおうとすると、食卓には既に先客がいた。




「遥希さん、おはようございます」




 きっちりと整えられた髪は、まるで細い金糸のようにサラサラ揺れている。

 昨日買った服を早速来てみたのか、胸の所に可愛いフリルが付いている白いブラウスに、ユニオンジャック柄のスカートを組み合わせた姿は良く似合っていた。




「これ、見ました! とてもステキな絵本で、日本語の読み書きがまだ苦手な私でも楽しく読むことができましたよ!」



 昨日あげた絵本を胸に抱えて楽しそうに彼女は笑った。



「今日は一先ず、朱里亜さんの部屋にある本を一つ一つ開いてみようかと思っているのですが…… よろしいでしょうか?」


「あぁ。昨日も言ったけど、元通りにしてくれれば勝手に見ていいぜ?焦ったって仕方ないし、ゆっくりしてくれや」




 冷蔵庫を開けて朝食のメニューを考えながらシャーロットに返事を返した。

 さっと三人分の朝食を作って二人で食べた後、シャーロットは昨日洗濯していた黒いマントを羽織ってから朱里亜の部屋に入った。



 魔法使いと言えば黒いローブを着ているイメージがある。

 話を聞くと、特にイギリスやヨーロッパ圏内では鉄板の衣装らしく、日本で言うところの学校の制服みたいな物だとか。


 着ていると気が引き締まるとは本人の言。

 よく見ると解れを直した部分も多くあることから、シャーロットにとって思い入れがあるモノなのだろう。



 それから、例のごとく凪咲を叩き起こした後。

 凪咲は友達とアミューズメントエリアに。

 オレは脱衣所で洗濯をしたり掃除をしたりと、いそいそ家事をこなし、日曜日を過ごした。









 月曜日はなぜやってくるのだろうか。


 学校にいる間、あれだけ長く感じていた1日が、土日になるとその半分以下のスピードで過ぎて行く。



 金曜に『2連休でアレもコレもやりたいな』と思っていても、いざ休みに入ると『時間はたっぷりある』とやりたい事を後回しにしてダラダラしていた結果、予定していた事の半分もできず、気が付けば月曜日を迎えている。


 そんな期間が長く続くと、今まで休日に何をして過ごしていたか分からず、結局家事に力を入れることになってしまう現状。



「定年退職後のサラリーマンかよ!」


 

 その事を教室にいた弘信に話すと鋭いツッコミを頂いた。


 しかし、いくら長く感じる時間でも過ぎてしまえばあっという間。

 現在は昼休みも終わり、5限目に突入していた。




 学校に行っている間、シャーロットはお留守番だ。


 一応、一人でも出歩けるように地図とオレのケータイを持たせてあるので、何かあれば連絡が取れるのだが…… オレ達を見送った後は婆さんの部屋に入ると言っていたので、外出した可能性は薄い。



 いつまでもオレのケータイを貸しておくわけにもいかないので、明日辺りにケータイショップに行こうと考えていた。

 オレも男の子なので、ケータイのフォルダの中にはエロいモノの一つ二つは入っている。

 あまり使われると発掘される恐れがあるし、早急な対策が必要だ!




「…… では、今日こそ星見祭の出し物を決めるので、何か提案がある人は挙手して下さい」




 5月にある星見祭が近いこともあり、午後の授業は星見祭に向けて話し合いをする為の時間だった。

 淡々と進行役をこなすのは、我がクラス2-Aの委員長である眞鍋 瑠璃(まなべ るり)


 表情にあまり変化がなく、基本的にテンションも低いので冷たい人だと誤解され易いが、話せば中々面白いヤツで、表情こそ変わらないものの、冗談も言うしノリもそこそこ良い。

 あだ名は『いんちょ』。




「はいはーい!」



 と、我先に挙手したのは弘信。



「いかがわしいお店がいいと思いますっ!」



 男子からは喝采が。

 女子からはブーイングが飛び交う。

 臆面もなくそんな発言が出来る辺り、弘信の事を流石だと思う…… いろんな意味で。




「…… いかがわしい店…… っと」




 男子VS女子の大合戦の中、瑠璃は黒板にカツカツと弘信の提案を書いた。


 書くなよ。



「…… いんちょを放っておくとホントにやりかねないわよ?」




 参戦していなかった凪咲がオレに耳打ちしてきた。

 実はオレと凪咲は中学生からこれまで、ずっとクラスが一緒なのだ。



 あれはオレ達が中学二年生の時の文化祭。


 今回のように最後の最後まで出し物が決まらず、誰かが冗談半分で提案した『占い道場"どす恋"』と言う占い店を本提案として学園に提出し、実際に開店する羽目になった事件があった。


 起き上がるタイプのサンドバッグをツッパリで倒し、その衝撃を視て占うと言う謎の占い方法を用いた"どす恋"は、その意外性と何故か占いが割と当たってしまう事で反響を呼び、小中高総合一位の売り上げを叩き出したのはまた別の話。


 その事件はもちろん構内全域に知れ渡り、このクラスの誰もが知っていた。

 瑠璃が黒板にいかがわしい店と書き終わった瞬間、騒ぎは収まり皆真剣な表情で出し物を考え始める。



 女子は兎も角、男子達も本気で望んでいたわけではないようだった。

 発言した本人はと言うと……



「…… あっぶねぇ」



 誰よりも安堵していた。

 コイツ、口ではエロだなんだと言っているが、すっごくシャイだからなぁ。

 なら言わなければいいのに、とも思うが、つい口が動いてしまうのが弘信が弘信たる所以でもある。


 暖かな日差しがオレの席を照らす。

 周りからは徐々に出し物の意見を言い合うクラスメイトの声。



 そういや、昔は婆さんも学校行事に来てくれていたが、一回だけ来られなかったことがあったっけ。

 小学3年生でやったホットケーキ屋さんに、婆さんは偶々用事が入っていて来ることが出来なかったので、ならば家で作ってやろうと思い、部屋の飾り付けまでしてホットケーキを作った覚えがある。



 今思えば、その時から家事をするようになったなぁ。

 婆さんは基本的に好き嫌いがなく、いつも美味しいと言ってくれた。



 しかし凪咲は好き嫌いが激しく最初は苦労したが、料理に慣れて来ると、ヤツが嫌いな物を細かく刻んでハンバーグに入れたりして食べさせていた。

 で、「うまい!」と言わせればオレの勝ち…… 影で一人ほくそ笑む遊びを一人でしていたな…… 。


 高校生となった今でも凪咲はなにも気付かず食べている…… ククッ、普段の食事にあんなモノやこんなモノが入っているとも知らずになぁ…… っ!




「…… 桜庭、後はあなただけよ?早く投票しなさい」




 気がつけば出店決めも終盤にかかっていて、オレだけがまだ投票していないらしい。



 意見は4つ。

 …… どれも9ずつ投票されていた。

 40人いるクラスメイトの内3人は欠席しているので…… 。



「…… おい、オレの票で決まるってのかよ?」



 一同一緒に頷いた。


 なんだよそれぇっ!?


 だが過ぎたるは及ばざるが如し。

 覚悟を決めるしかねぇっ!


 さて、選択肢は4つ。

 黒板に書かれているのは……



 1.和風カフェ『平静』(中国語 和訳:和み 読:ピンジン)

 2.お化け屋敷〜刮目せよ、死後の世界を〜

 3.流鏑馬チャレンジアトラクション!

 4.いかがわしい店




 どれも癖があるがどうしようかな?



 オレが選んだのは……………


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