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私以外、全員プロゲーマー!!――なのに最強チームをまとめているのは私!?  作者: 紅桜歌


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03 初対面の案内人と初めてのクエスト【前編】

街の門へ到着したところで、私は改めて自分の装備を確認した。


右手には、武器屋で購入した初心者用の片手剣。左手には、小さな丸い盾を装備している。


どちらも装飾のない簡素な装備だ。


安全に戦闘の基本を覚えるなら、この組み合わせが一番いいとレオに勧められた。


けれど、正直に言えば、まだ少し納得できていない。


鞘から片手剣を抜き、軽く構えてみる。



剣そのものには、それほど違和感はなかった。


問題は、左手に装備した小さな盾だ。


構えると視界の一部が隠れ、身体の左側だけが重くなったように感じる。左右へ動こうとするたびに、盾だけがわずかに遅れてついてくる感覚も落ち着かなかった。


私は何度か構えを変えながら、しっくりくる位置を探してみた。


「盾、持ちにくいですか?」


私の様子を見ていたレオが尋ねる。


「あっ、いえ。盾が悪いわけじゃないんですけど……」


初心者なのだから、慣れていないのは当然だ。


そう思いながらも、左手の違和感はどうしても消えなかった。


「実は、前に遊んでいたハンティングアクションでは、双剣を使ってたんですよね……。だから、左手に盾があることに慣れてないだけかもしれません」


上手だったわけではない。


ただ、いろいろな武器を試した中で、二本の剣を使う戦い方が一番しっくりきただけだ。



「なるほど」


レオは一度うなずき、私の左手にある盾へ視線を落とした。


「双剣に慣れているなら、盾に違和感があるのも不思議ではないですね」


「たぶん、癖みたいなものだと思います」


私も盾へ目を向ける。構えているつもりなのに、どうにも左腕だけが身体から浮いているような感覚があった。


「Vividでは初めてなので……同じように動けるかは、分からないですけど」


別のゲームで双剣を使っていたからといって、Vividでも同じように戦えるとは限らない。


身体の動かし方も、武器の重さも、スキルの仕組みも違うはずだ。



気づけば、肩で大きく息をしていた。


現実の身体は動かしていないはずなのに、全力で走ったあとのように胸が苦しい。


視界の端にある三本のゲージを確認する。


体力を表すHPは減っていない。魔法やスキルの発動に使うらしいMPにも変化はなかった。


しかし、その下に表示されたSP――スタミナのゲージだけが、ほとんど空になっている。


剣を振るうたびに少しずつ減り、回避のために大きく動くと、さらに多く消費するらしい。


「は、はぁっ、、こんな感じでいいのかな、、じ、時間かかるけどっ、、はぁっ、、えっ?HP、MP、、、それに、SP!?」


呼吸を整えながらゲージを見ていると、減っていたSPが少しずつ回復し始めた。


それに合わせて、胸に感じていた苦しさもゆっくりと消えていく。


どうやらSPは、攻撃や移動を止めていれば、時間経過で自然に回復するようだ。


「はぁっ、、、な、なるほど。これは、鍛えるのに時間沢山もっていかれるわけだっ」


一匹倒すだけで、この有り様。


攻撃力も足りない。片手剣の扱いにも慣れていない。それ以前に、自分がどの動作で、どれだけSPを消費しているのかも把握できていなかった。


覚えなければならないことが、山ほどある。


それなのに、嫌だとは思わなかった。


むしろ、自分の足りない部分が見えるほど、どうすれば効率よく戦えるのか試してみたくなる。


モンスターを一匹倒したことで、眠っていたゲーマーとしての好奇心に火がつき始めていた。


これは、ハマるかもしれない。


これから楽しくなりそうだ。


呼吸が落ち着いてきた私を見て、レオが静かに声をかけてきた。


「盾で受けるより、攻撃を避ける方が得意みたいですね」


「やっぱり、そう見えます?」


「はい。回避してから反撃する動きにも慣れているように見えました」


これまで遊んできたハンティングアクションの経験は、Vividでも少しくらい役に立っているらしい。


褒められたことが嬉しくて、少しだけ頬が緩みそうになる。


しかし、レオは回復途中のSPゲージへ視線を移した。



「ただ、今の戦い方だとSPの消費が早いです」


「普通に攻撃してるだけのつもりだったんですけど……」


「通常攻撃ではSPを消費しません。でも、さっきのラムさんは毎回かなり力を込めていました。ほとんど強攻撃になっています」


「えっ、全部!?」


レオが小さくうなずく。


一撃でも早く倒したくて、最初から最後まで全力で剣を振っていた。


それが、かえって自分を疲れさせていたらしい。


「それに、回避でもSPを消費します。強攻撃と回避を続けて使ったので、すぐに空になったんだと思います」


「じゃあ、普通に斬るときは、もっと力を抜いていいんですね」


「はい。隙が小さい通常攻撃で削って、大きな隙ができたときだけ強攻撃を使う方が安定します」


強く振ればいいというものではない。


相手の動きと自分のSPを見ながら、通常攻撃、強攻撃、回避を使い分ける必要がある。


「SPが空になったら、どうなるんですか?」


「回復するまで、強攻撃と回避が使えなくなります。通常攻撃はできますが、避けられなくなるので危険です」


動けなくなるわけではない。


けれど、回避を中心に戦いたい私にとって、SPがなくなることは致命的だった。


「でも、待っていれば戻るんですよね?」


「SPは戻ります。成長すれば最大量や回復速度も上げられますし、回復を早めるスキルもあります」


少し休んでいる間にも、SPのゲージは目に見えて回復していた。


「じゃあ、HPとMPも待っていれば回復するんですか?」


「いえ。HPとMPには、SPのような自然回復はありません。回復スキルやアイテムを使う必要があります」


「や、やっぱそうですよねぇ……」


「装備やスキルの中には、自動回復の効果を持つものもあります。ただ、何も持っていない状態では、時間が経過しても回復しません」


SPは時間によって戻る。


HPとMPは、待っているだけでは戻らない。


似たように並んでいる三本のゲージでも、仕組みはまったく違うらしい。


「じゃあ、強攻撃と回避を使いすぎないようにしながら、HPとMPは別の方法で管理するんですね」


「そうです。次はSPを半分以上残した状態で倒してみましょう」


ちょうどそのとき、SPのゲージが最大まで回復した。


胸の苦しさも完全に消えている。


私はもう一度片手剣を構え、左手の盾から余計な力を抜いた。


次は力任せに振らない。


通常攻撃で少しずつ削り、本当に必要なときだけ強攻撃と回避を使う。


そう意識しながら、私は二匹目のモンスターを探して森の奥へ視線を向けた。


二匹目のスライムとの戦闘では、先ほどよりも攻撃の回数を減らした。


相手の動きを見て、確実に避ける。


攻撃できる隙があっても、SPが減っているときは無理に追撃しない。距離を取り、ゲージが少し回復してから再び斬りかかる。


倒すまでにかかった時間は、一匹目とそれほど変わらなかった。


それでも、戦闘終了時にはSPを半分以上残すことができた。


「できた……!」


思わず声を上げると、少し離れた場所で見守っていたレオがうなずいた。


「今の方が安定していました」


たったそれだけの言葉だったが、先ほどより上手く戦えたことを認めてもらえた気がして嬉しかった。


それからも、森を進みながら何匹かのモンスターと戦った。


青いスライムだけでなく、草むらに隠れていた小型の獣や、低い位置を飛ぶ虫型のモンスターにも遭遇した。


最初は一匹倒すだけでSPを使い切っていたが、戦闘を繰り返すうちに、少しずつ感覚がつかめてくる。二匹目のスライムとの戦闘では、先ほどよりも攻撃の回数を減らした。


相手の動きを見て、確実に避ける。


攻撃できる隙があっても、SPが減っているときは無理に追撃しない。距離を取り、ゲージが少し回復してから再び斬りかかる。


倒すまでにかかった時間は、一匹目とそれほど変わらなかった。


それでも、戦闘終了時にはSPを半分以上残すことができた。


「できた……!」


思わず声を上げると、少し離れた場所で見守っていたレオがうなずいた。


「今の方が安定していました」


たったそれだけの言葉だったが、先ほどより上手く戦えたことを認めてもらえた気がして嬉しかった。


それからも、森を進みながら何匹かのモンスターと戦った。


青いスライムだけでなく、草むらに隠れていた小型の獣や、低い位置を飛ぶ虫型のモンスターにも遭遇した。


最初は一匹倒すだけでSPを使い切っていたが、戦闘を繰り返すうちに、少しずつ感覚がつかめてくる。


通常攻撃で削り、強攻撃は相手に大きな隙ができたときだけ使う。回避も必要最低限に留める。


その様子を見ていたレオに相談し、途中から盾を収納して戦ってみることにした。



防御手段を失う不安はある。


けれど、左手が自由になった途端、身体の動きは明らかに軽くなった。


何も持っていない左手が少し寂しい。


それでも、盾を構えているときより、ずっと自然に動ける。


しばらく戦闘を続け、私のレベルが3になったところで、レオが森の奥へ視線を向けた。


「このくらいなら、ゴブリンと戦っても大丈夫だと思います」


「いよいよですね……」



私は片手剣の柄を握り直した。


チュートリアルの討伐対象は、レベル5のゴブリンを5匹。


スライムとは違い、武器を持ち、仲間と連携して襲ってくるらしい。


それでも、先ほどまでの私とは違う。


少しだけ戦い方も分かってきた。


レオも一緒にいる。


きっと、初心者向けのクエストらしく、無事に終わるはずだ。


このときの私は、本気でそう思っていた。



とうとう、3話。しかも前半になりました。


まだまだ始まったばかりです。

今回は戦闘シーンに入りましたが表現が難しいですね。


拙い文章ですが、これからも頑張りたいと思います。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

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