イベント発生
いつも読みに来ていだだいて、ありがとうございます。
ハウス·デア·ホフヌングでの仕事は2週間は見習いで、お給金は半額となる。
はじめの一週間は先輩通訳さんについて、実際の商談を勉強する。ホフヌングでは通訳をするだけでなく、話しの進み具合、食事の進み具合を見て、お給仕さんに合図を送ったりするのも仕事のうちになる。
そのへんのタイミングや、合図などを習うのだ。
次の1週間では、私がメイン通訳となるが、先輩通訳さんにサポートに入ってもらいながら商談に参加する。
来週から見習いとして入る事になるが、前世で伊達にアラフォーまで独身で仕事三昧していたわけではないので、商談自体には特に緊張はしていない。
レインハルト様と週末にホフヌングで着る服を買いに行くのだが、急に決まった事なので、オーダーメイドで服を作りたかったレインハルト様ががっかりしている。
いや、仕事の服だから別にオーダーメイドじゃなくで十分ですよ。
「でも、どうせ買うなら、あなたの魅力をより、引き出せる服が良かった。
あ、でも、他の男にあなたの魅力を見せるのも、少し嫌かも。
あなたの魅力を知っているのは私だけでいい。」
とかヤンデレチックな発言をしだす。
ヤンデレ反対! こういうのは芽のうちに潰しましょう。
「レイン、そういう心の狭い発言はよくないですよ。もっと心を広く持ちましょうね。」
と、ほほ笑み返す。
「う、うん。分かった。と、思う。」
微妙な返事だが、まあいいでしょう。
それからもう一つ、イベントが発生した。
「ロリー、実は私の両親が是非あなたと会いたいと言っている。嫌でなければ金曜日の晩にうちで一緒に夕食会をしたいのだが、どうだろう?」
うん、それはそうですよね。跡取り息子の婚約者と会ってみたいと思うのは当然で、むしろよく一度も会わないで婚約を認めてくれたものだと感心する。
「はい、全く構いませんよ。むしろ私の方からもっと早くにそういう機会を作るべきでしたね。」
「ありがとう。もしよければ、夕食会の後、そのままうちに泊まって、土曜日に服を買いに行かないか?
その方があなたも疲れないと思う。」
「ご迷惑でなければ、それで構いません。」
と、いう事で急遽 お食事会とお泊まり会となった。
そこでふと気づく、お食事に着ていけるようなドレスを持っていないなと。
「レイン、恥ずかしい話しですが、食事会に着ていけるようなドレスの持ち合わせがないのです。」
うう、恥ずかしい。別段普段は貧乏でもそんな気にはしていなかったが、将来義父母になるかもしれない方々に会う、しかも侯爵家の面々。だのにあまりに質素な服での参加はどうなのか?
困ってもじもじしていると
「じゃあ、今日の放課後に食事会用のドレスを買いに行こう。私からプレゼントさせて欲しい。
ああ、それこそオーダーメイドにしたかった。」
と、頭をかく
「よろしいのですか?いつもいつもレインには、お世話になってばかりで心苦しいですが、お言葉に甘えても?」
「当たり前だよ。婚約者になってから、私からはまだ、何もあなたにプレゼントしていないんだ。ドレスや宝石、靴を贈らせて欲しい。」
んん?何かドレス以外にも増えていませんか?
と、いうわけで放課後にさっそく2人で買い物に出かけた。
連れて行かれたのは王族の方も使用しているという、王都で一番のお店であった。
「彼女に似合うドレスを何着かみつくろって欲しい。」
と、レインハルト様は店員に指示して、私はその中からなるべくシンプルなドレスを選んで試着する。
私は、さすが成人指定ゲームの主人公だけあって、出るところがしっかり出ているので、あまりゴテゴテしたドレスを着ると全体的にボリュームが出すぎてしまうのだ。
何着が試着して、クリーム色のシンプルなドレスに決めた。
ついでに靴もクリーム色のにした。
レインハルト様も
「このクリーム色、あなたのブルーシルバーの髪が映えていいね。」
と、気に入ってくれた。少しお直しが必要なので、翌日に侯爵家に届けてもらうことになった。
そして次は宝石店へ。そのお店は以前もレインハルト様と訪れたお店で、私達が着くと
「ちょうど、ピアスとネックレスが出来たので、侯爵家へ届けるところでした。」
と言うので、そのまま受け取り、ピアスを付け直し、ネックレスを付けた(もちろん、両方ともお互いにつけっこだった)。
ネックレスは とても可愛くて、私の気分は上がったが、レインハルト様には可愛すぎた。まあ、服に隠れて見えはしないが、ハート型にしなくて本当に良かったと思った。
それからネックレスと指輪を選ぶ。
レインハルト様は、どれも自分の色をまとって欲しいと要望したので、別に特段希望のなかった私は彼に従う事にした。
こちらもすぐ買えるものが必要だったので既製品の中から選ぶのだが、
ネックレスとピアスは今つけたものがあるので要らない。と、私が言うと
ではせめて指輪を。という事でインペリアルトパーズの指輪に決めた。
こちらもサイズ直しが必要だったので、出来次第、侯爵家へ届けられる事となった。
金曜日、授業が終わったあと、私はレインハルト様と一緒にヴァイスリヒト家へ行き、客間に案内された。そこには3人のメイドさんがいて、年かさのメイドさんが
「さっそく支度をしますので、坊ちゃまは出ていて下さいね。」
とレインハルト様を部屋から追い出す。
おおーっ、レインハルト様を坊ちゃま扱いかあ。うん、まあ、坊ちゃまには違いない。
などと思考をあさっての方向に向けているうちに、あれよあれよという間に制服を脱がされ、髪をとかされ、顔はマッサージをされる。
「髪型やお化粧のご要望はありますか?」
と聞かれた。こちらの要望も聞いてくれるのね、ちょっと安心する。
「髪型は特に希望はないのでお任せしますが、お化粧は軽く薄目でお願いします。」
すると年かさのメイドさんは
「そうですね。お嬢様はお若くてお肌も綺麗なので、お化粧は最小限にしておきますね。
髪はとても真っ直ぐなストレートなので、髪が映えるように全てアップにはしないで、ハーフアップにしておきましょうか。それでよろしいですか。」
「はい、それでお願いします。」
という事で、お着替え&身支度が始まった。
領地にいた時も、王都に来てからも、一人で着れるドレスばかり着ていて、メイドさんに着替えさせてもらったことなどないし、前世の記憶もよみがえった今、他人に着替えやら身支度やらを手伝ってもらうのは気が引ける。
でも、このドレス、一人では絶対に着れないドレスだし、お化粧も最低限しかした事がないのて、食事会にふさわしいメイクを自分で出来るとは思えないので、黙ってメイドさん達に従ったのだった。




