レインハルト・フォン·ヴァイスリヒト①
いつも読みに来ていただいて、ありがとうございます。
今回はレインハルト視点です。
一回で書ききれなかったので、分割しました。
父上、母上、私には結婚したい女性がいます。
「それはおまえがずっと想いをよせているという例の女性か?」
父が問う。
「はい。明日、婚約の申し込みをしたいと思っております。ぜひ、父上と母上にもお許しをいただきたく思います。」
「想いをよせている女性がいる事は聞いていたが、どこのどんな方か詳しくはまだ聞いていなかったな。。話してくれるな。」
「はい。彼女はローレライ·フォン·ハーゲン。ハーゲン子爵家の長女です。大変優秀で1年、2年と2年連続で学年首席で、このままいけば今年も学年首席であろう人です。
また、子爵家ながら、大変優美でマナーも侯爵家、公爵家出身と言われても遜色ない程で、所作もとても洗礼されています。」
「ほう、おまえがずっと勉強でかなわない相手がいると言っていたが、それがその人なのか。3年間首席とは大変素晴らしいな。
しかし、ハーゲン家かね。何か引っかかるもこのがあるな。なんだっけかな?」
「あなた、ハーゲン家と言えば、ほら、あの17年前の騒動の…」
「ああ、思い出した。あの家か。」
「母上、ハーゲン家は過去に何かあったのですか?」
「ええ、ちょっとね。あなたが生まれる前だから知らなくて当然だけれどもね。」
母上は困惑顔で言う。
父上は少し考え込んだあとで
「おえが長年想っていた女性だ。大変優秀なようだし、認めてあげたいが、ハーゲン家の事情を話すから、その上でよく考えなさい。上手く立ち回れなければローゼンベルク公爵家とギスギスしてしまう可能性もあるんだよ。」
と、父はハーゲン家の事情を話しだした。
◆◆◆◆◆◆
「そこような事があったのですね。分かりました。ローゼンベルク家とはあまり衝突しないように上手くやります。ですから彼女との婚約を認めて下さい。私には彼女しか考えられないのです。お願いします。」
レインハルトは頭を下げる。
父と母は困惑して顔を見合わせながら、それだけ想っているのなら仕方ないね。と認めてくれた。
2年間、素敵な想い人がいる。彼女しか考えられない。と言い続けてきて良かった。きっとそれが効いている。
ではさっそくと、婚約に関わる書類の制作をすぐにお願いしたいと強くお願いすると、父も母もあきれ顔になった。
2年間ヘタレていたわりには、やる事が早いねえと2人で苦笑する。
苦笑しながらも執事を呼んで、必要書類を書き始めてくれた。
「本当にありがとうございます。」
両親に深く感謝をした。
明日、本当に婚約を受けていただけたら、近いうちに連れてきなさい。私たちも会ってみたいから。と、言われた。
「ああ、ハーゲン家であと一つ。
うちで使っているバターとチーズはハーゲン領産なんだよ。なかなか美味しいだろ?いわば我が家はハーゲン家のお得意様だな。」
と、父は茶目っ気たっぷりに微笑んだ。
それは知らなかった。ハーゲン領はわが国ルーメンブルクの北方にあり寒冷な気候だ。
近年、畜産も盛んだったのは知っていたが、我が家がお得意様だとは。
意外な所で繋がりがあるのだなと感心した。
それにしてもハーゲン家とローゼンベルク家との一悶着をローレライ様は知っているのだろうか?
もし、知らなかったとしたら、私か、話す事ではないように思う。
この婚約でローゼンベルク家に迷惑をかける訳ではない。念の為に気をつけはするが、普通にしていれば問題はなかろう。ローレライ様には聞かないでおいた方がいいかもしれない。
それはともかく、両親に婚約を認めてもらえたこと、本当に良かった。
話しの分かる両親で良かった。
やはり言い続ける事は大事なのだな。
ローレライ様にも言葉を尽くそう。
そう、心に決めたのだった。




