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お久しぶりです。
長らくお待たせしてしまいすみません。
「これを見て。」
カインはルイに腕輪を見せた。
そばにローゼとアランも寄ってきて、3人で覗き込むように腕輪を見た。
「嘘でしょ・・・・。こんなのありえない‥‥。」
「おいおいまじかよこれ。」
「っ! 何も感じなかった。」
ローゼ、アラン、ルイはあまりのことに、腕輪、カイン、カイザルの順に見た。
カインの手に乗っている腕輪の内側に、まるで内部から何かが噴出したような大きなひびが入っていたのだ。そしてこのひびが入った時、そばにいたカインたちどころか、腕輪を身に着けていたルイすらも気づかなかったのだ。そのうえこの腕輪は少し特殊なつくりがしてあるため、ちょっとのことではひびどころかかすり傷一つつかないのだ。
それがこんな風にだれにも気づかれないように壊れるなど、普通は考えられないことなのだ。
「なぁ、この傷さっきの姉ちゃんがつけたものじゃないよな。ハハッ。まさかな・・・・・。」
アランがそんなはずがないという風に呟いた。
「いや。俺はそう思っている。」
ルイはアランの言葉を肯定した。
「っっ! そんなんありえねえだろ! この魔道具は魔力を亜空間に吸収してためておく奴だぞ! そういうやつは傷なんかつかねぇ。それに亜空間がいっぱいになるほどの魔力を人間が持ってるわけねぇだろ! それぐらい俺にもわかるぞ!!」
「でも彼女ならできてもおかしくないんだ。」
「? それどういう意味だ?」
ルイのどこか確信めいたいい方に、カイザル以外の3人は首をかしげた。
「前に1度、俺の発言が彼女の琴線に触れて怒らせたことがあったんだ。その時カナデの魔力があふれ出したんだ。カナデも無意識だったんだと思う。だけどその膨大な魔力量に俺も叔父上も動けなくなったんだ。」
「ちょっと待って、魔力が多くてルイだけが動けなくなるのは想像はつくわ。聞く限り彼女は単身魔の森に潜っても平気なぐらい強いらしいから。でもカイザル様まで・・・・・。」
ローゼたちは信じられないという風にカイザルを見たが、カイザルは何も言わなかった。それがルイの言葉が真実だということを決定づけた。
ローゼたちが驚くのも無理はない。カイザルは、引退しているとはいえ元はAランク冒険者だったのだ。Sランクも夢ではないと謳われていたほどだ。今でもその強さは衰えていない。そんなカイザルが動けなくなるほど、カナデの魔力量が膨大だったということだ。
「それでは叔父上、これからも引き続き彼女を監視して下さい。僕たちもしばらくはここに滞在する予定です。何かあれば報告をお願いします。」
今まで黙って話を聞いていたカインが口を開いた。
「それはもともとするつもりだったが、魔の森に入ったりするのは厳しいぞ。」
「わかっています。できるだけで構いません。叔父上の部下はとても優秀です。」
「買いかぶりすぎだ。」
「いえ、そんなことはありませんよ。パッフェルベル王国国王お抱え諜報部『鴉』の長、王弟カイザル・シリウス・パッフェルベル殿」
いきなり知らされたカイザルのもう1つの顔に、ルイ達は驚きに目を見開いた。
カイザルは自分の正体を、カインと同じ甥であるルイには何も知らせていなかのだ。なのでルイはカイザルのことは、顔の広い凄腕の叔父という認識しかしていなかったのだ。もちろんカイザルも誰にも自分の正体を明かしていない。そのためカイザルの正体を知っているのは、兄である国王と王妃甥のカインんと宰相の4人だけなのだ。部下にも自分が奥底であることは知らせていない。
「ククッ。おいおいそんなことこんなとこで言っていいのか? 一応それは極秘扱いだぞ。」
カイザルは驚いている甥たちを見て、笑いながら言った。
「かまいませんよ。彼らは未来の僕の妻と側近なのですから。」
カインはやわらかく微笑みながら、嬉しいことを言ってくれる。ルイとアランはジーンとして尊敬のまなざしでカインを見た。ローゼはローゼで、感動のあまり目を潤ませ、カインに抱きついた。
カイザルはその光景を見ながら、こいつ絶対わざとだなと思いつつも、そうかとだけ言った。
そこでその場はお開きとなった。
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