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「あっカナデ! お帰りニャ。カナデの話は個室で聞くにゃ。こっち来てニャ。」
ギルド長室を出た奏とカイルは、ミレーナがいるカウンターに向かった。カウンターにいたミレーナが奏たちに気づいて手招きして、一緒に個室に向かった。
「ギルド長との話、どうだったニャ?」
個室に向かいながら、ミレーナが興味津々といった風に尋ねた。
「なんかSランクにならないかって話だった。」
「Sランク! さすがカナデニャ。こんなに早くSランクにニャれるニャンて! じゃぁ今日からカナデはSランクになったって事ニャね!」
「いや。断ったよ。」
「私は信じてたニャ。カナデはいつかきっと・・・・・ん? 断った? え? え? ・・・・・・・・・・えええええぇぇぇぇぇぇ!!」
ミレーナにとっては衝撃が強すぎたのか、たっぷり数秒放心して叫んだ。
いきなりの大声にカイルが不愉快そうにミレーナを見上げて、前足で起用に自分の耳を抑えた。その(奏から見て)可愛いしぐさに内心悶えたのは秘密だ。
「なんでニャ! なんで断っちゃったニャ! Sランク冒険者なんてこの世界に数えるほどしかいない最強冒険者ニャよ!」
「な、なんでと言われても・・・。ただ単に貴族とか王族とかからの使命依頼が嫌なだけだけど‥‥。」
「ニャ、ニャるほど・・・・。なんかカナデらしくて納得ニャ。」
でも、でもだからと言ってニャンデ即断るのニャ!!
ミレーナは内心頭を抱えた。
カナデたちは大抵の依頼は文句も言わずに、なんでも完璧にこなす。けれど、なぜか貴族からの使命依頼は絶対に受けない。カナデの話だと、以前ある貴族に攫われて酷い扱いを受けたと聞いた。カナデは魔力がかなり多いから、そこに目を付けられたんだと思うニャ。まぁ、このことについては、いつかカナデから話してくれるまで待つニャ。
「ここニャよ!」
ミレーナは、気持ちを切り替えて奏たちを個室に通した。
「カナデはどんなことが知りたいのニャ?」
奏たちに席を進め、自分も向かい側に座ったミレーナは尋ねた。
「とりあえず知識が欲しいかな。この国と周りの国について。後は魔法についても知りたいかな。私あまりこの国こととか何も知らないから。」
そうなのだ。マルティアノ王国にいたときは、無理やりだったがそういうことを学ばされた。まぁ、学ばなければ生きていけなかったこともあるけど。結局刺されちゃったけど・・・。
でもここに来てからは、魔物さえ倒せれば命の危険はないのだ。人との関わりをできるだけ避けていたので、この世界の常識について疎いところがある。
「ウーーーン。カナデが知りたいことは分かったニャ。数日で大体の情報はそろうニャよ。」
ミレーナは笑顔で言った。
「あ、後、冒険者にわたす情報は一回ギルド長に報告しなきゃいけニャいんだけど、大丈夫ニャ?」
情報漏洩を防ぐためかな? でもカイザルさんは私が得る情報を把握することだよね。ルイのことといい今回のことといい、前ほど信用できないんだよねぇ私。でもまぁ、田舎から出て切ったていう設定だし、大丈夫だよね?
「うん、大丈夫だよ。」
「よかったニャ。」
ミレーナはほっとしたように言った。
「そんなに嫌がる人多いの?」
「そうニャね。自分がどんな情報を持っているかを持っているかを知られるのが嫌な冒険者は多いニャよ。でもほとんどは嫌がりながらも我慢してもらうニャ。それでもかたくなに拒否したら、その人はもらった情報を何かよからぬことに使うつもりだったと判断できるニャ。」
なるほど。このシステムは要注意人物をあぶりだすためのものでもあったんだ。でも・・・
「逆上した人に攻撃とかされない?」
「? されるニャよ。」
やっぱり!
かなではかおをひきつらせた。
「だ、大丈夫なのそれ!」
「大丈夫ニャよ。私これでもBランク冒険者だし。」
ん? なんか今ものすごい爆弾を落とされた気がしたけど・・・。
「Bランク冒険者?」
「うん。」
「誰が?」
「私が。」
・・・・・・・・・・・聞き間違いじゃなかった―――!!! え? ミレーナが冒険者でしかもBランク? こんなかわいいミレーナが!!!
「カナデの言いたいことはなんとなくわかるニャ。その様子だと知らないかもしれニャいけど、ギルド職員は裏方以外全員Bランク以上の冒険者か元冒険者ニャよ。だから対人の依頼はBランクからしかニャいニャ。」
な、なるほど。だからCランク以下の依頼で対人依頼は見なかったのか。
その後カナデは、情報量のことを聞いてカイルとともに部屋を後にした。
「それにしてもミレーナがBランクとは思わなかった。」
『そうか? 我は最初から気づいておったが。』
「え! 最初から!」
『何を驚くことがある。相手の強さなど見ればわかるだろう。』
「いや、わかんないから。」
『ふむ、鍛え方が足りんか? コツを教えるから試してみるといい。』
「ありがとうカイル。」
カナデとカイルは、のんびり話しながら依頼を受けるために魔の森に帰った。
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