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「そういうことだからカナデ、俺たちにだけにでいいから顔を見せてくれねぇか?」
カイザルはダメ押しとばかりに、カナデにフードをとるように言った。魔力を封じていた現況を叩く前であれば、奏はもう少し渋ったであろう。だが、魔力が自由に使えるようになった今の奏には、もう変装した姿を見せるのに何の不安もないのだ。
「わかりました。」
奏は観念したように言い、ゆっくりとフードに手をかけた。
ルイ達はそんな奏の動作に、緊張した面持ちで見ていた。彼らはもう少し奏は粘ると思っていたのだ。
ゆっくりとカナデの頭からフードが落とされた。だが、そこには黒目黒髪の森であった少女ではなく、金髪青眼のきれいな顔立ちの少女だった。ルイは肩を落とした。期待していた分違ったのだから、そん落胆ぶりは推して知るものがある。
フードを外した奏は、部屋が何とも言えない微妙な空気になっているのに気が付いた。
フ―、間に合ってよかった。でも何を期待していたのかは知りたくもないが、いくら私の顔が平凡だからと言っても、この反応はちょっと複雑だ。
奏は部屋の微妙な空気は、自分の顔のせいだと思っていた。実際は奏の容姿にルイ達は落胆しているのは確かだが、奏とは注目している場所が違う。
だが奏にとってそれはどうでもいいことだった。奏としては、早くミレーナの所に戻って情報を集めたいのだ。
「あの、カイザルさん。もういいですか。私たちこれからミレーナと約束があるのですが。」
「あ、ああ。わざわざ悪かったな。もう行って大丈夫だぞ。」
カイザルは奏の言葉に我に返って奏に退出の許可を出した。
奏は失礼しましたと言ってカイルとともに部屋を出てミレーナの所に向かった。
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奏が去った後、しばらくの間ギルド長室は何とも言えない空気が漂っていた。その中で1番最初に復活したのはカインだった。
「『死神』いえ、カナデだったね。彼女は愛し子ではなかったようだね。」
「だが、違和感があるんだ。」
ルイは、左腕に着けていた腕輪をカイザルに返しながらつぶやいた。
「違和感?」
アレンが聞き返した。
「そう、違和感。どうしてもカナデのあの姿が、本来の彼女の姿とは思えないんだ。」
「でも変装はできないはずよ。ルイが魔力を封じる魔道具を身に着けていたじゃない。私たちも魔法は使えなかったでしょ?」
ルイの言葉にローゼが反論した。
そうなのだ。カナデがフードをとった時に魔法で変装できないように、魔力を封じる腕輪を使うことを5人で話し合って決めたのだ。自分たちも魔法が使えなくなるというリスクを負うことになる。もしカナデが危害をくわえようとしたら、最悪防げなくて王太子であるカインを守れない可能性もあった。
だがカイザルの、奏はそんなことは絶対にしないという言葉でこの腕輪を使うことが決まったのだ。
「でもよ、だったらやっぱりルイの感じてる違和感は気のせいじゃねぇの?」
アレンもローゼの意見に賛成のようだ。
「そう考えるのは早いかもしれねぇぞ。」
今まで黙ってルイ達のやり取りを聞いていたカイザルが、ルイから受け取った腕輪をまじまじ見ながら言った。
「叔父上それはどういう・・・・・。!!! ルイ! この腕輪を付けているとき、何か衝撃を感じなかったかい?」
カイザルは持っていた腕輪をカインにほおった。カインはそれを受け取り、息をのんだ。そして驚きを隠しきれない様子でルイに詰め寄った。
「何も異変は感じなかったがどうした?」
ルイは突然のカイルの行動に戸惑いながらも何もなかったことを告げた。ローゼやアランもカイルに驚いている。
「これを見て。」
カインはルイに腕輪を見せた。
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