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男女獣比1:100:1000のモフ界転生 ~トリマー無双でエリート獣人を骨抜きに。最底辺の俺が自由を求めて下剋上~  作者: 団田図


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第5話 草食獣人

 ミオとレオナを劇的な美少女へと変貌させたことで、『旧校舎の第4温室跡』にある俺の秘密のサロンの噂は、桜華学園の中で完全に都市伝説から確信へと変わっていた。

 とはいえ、相手は発情期ヒートを持たない俺を容易に蹂躙じゅうりんできる獣人たちだ。誰彼構わず客として招き入れるわけにはいかない。


 ある日の昼休み。カフェテリアの隅の席で、俺はミオと一緒にランチを食べていた。

「ヒカル、最近ちょっとお疲れ気味じゃない? 無理してない?」

 ミオが心配そうに、ツヤツヤになった猫耳を揺らして覗き込んでくる。

「大丈夫よ。ただ、少し道具の限界を感じていてね。どうしてもこの世界の市販品じゃ、私の理想の仕上がりには届かないのよ」

 俺が女子生徒のふりをした裏声でそう答えた時だった。


「あ、あのっ……! ミ、ミオ先輩っ!」


 ビクビクと怯えたような、か細い声が背後からかかった。

 振り返ると、そこには二人の下級生が手をギュッと繋いで立っていた。

 一人は、頭に長くて愛らしいウサギの耳を生やした小柄な少女。もう一人は、モコモコとした分厚い羊の毛に全身を包まれた、少しぽっちゃりとした印象の少女だった。

 ウサギ系獣人のルナ・ラパンと、ヒツジ系獣人のメリー・シープだ。

 彼女たちのような草食獣人は、学園内でも常に肩身の狭い思いをしている。肉食獣人たちが発する威圧感や匂いに本能的な恐怖を抱き、いつもビクビクと隠れるように過ごしているのだ。


「ルナちゃんに、メリーちゃん。どうしたの?」

 ミオが優しく微笑みかけると、ウサギ系のルナが意を決したように口を開いた。

「そ、その……ミオ先輩の毛並み、本当に綺麗で……っ。お、お願いがあります! メリーを、メリーを助けてあげてほしいんです!」

 ルナに引っ張られるように前に出たメリーは、涙目で自分のモコモコの毛並みをギュッと掴んだ。


「わ、私……この毛が、もう嫌で……っ。手入れしてもすぐに毛玉になっちゃうし、熱はこもるし……。レオナ先輩たちみたいな肉食獣人の人たちに『暑苦しい』って笑われて……っ。もう、自分でどうしていいか、わかんなくて……」


 メリーの全身を覆うヒツジの毛は、確かに手入れが行き届いておらず、あちこちでフェルト状に固まってしまっていた。これでは通気性も悪く、ただでさえ体温の高い獣人にとっては苦痛だろう。


 ルナはメリーの手を両手で包み込み、必死に訴えかける。

「メリーは悪くないんです! ただ、羊の毛は自分で手入れするのがすごく難しくて……っ。噂のサロン、ミオ先輩なら場所を知ってるって聞いて……。私たち、何でもします! だから、お願いです!」


 二人は恋人同士であり、お互いを深く想い合っているのがその態度から痛いほど伝わってきた。

 肉食獣人の威圧感に怯えながら、それでも愛する彼女のために勇気を振り絞って声をかけてきたのだ。


 ミオは困ったように俺の顔を見た。

 俺は小さくため息をつき、微笑んで頷いた。

「わかったわ。放課後、旧校舎の裏庭に来てちょうだい。私がなんとかしてあげる」

「えっ……ヒカル先輩が、ですか……?」

 キョトンとする二人に、俺は自信たっぷりにウインクをして見せた。


 +++


 放課後。

 旧校舎の第4温室跡に案内されたルナとメリーは、カモフラージュされた入り口の奥に広がる本格的なサロンの光景に目を丸くしていた。

「す、すごい……! 学校の敷地内に、こんな場所があったなんて……」

「ヒカル先輩が、あの噂のゴッドハンドだったんですね……!」


「まあね。さあ、さっそく始めるわよ。二人とも、まずはそこの脱衣カゴに制服と下着を入れてちょうだい」

 俺がそう指示を出して、シャワーの温度を確認するために背を向けた、ほんの十数秒の出来事だった。


「はいっ!」「脱ぎました!」

「えっ、もう!?」


 振り返った俺は、思わず目を疑った。

 ミオやレオナの時はあんなに恥じらって抵抗していたのに、ルナとメリーは一瞬の躊躇もなく全裸になっていたのだ。

 しかも、なんの羞恥心もないのか、素っ裸のまま二人で手を繋ぎ、ニコニコとこちらを見つめている。

 ウサギ系獣人の小柄で華奢な体に、白く柔らかな毛並み。ヒツジ系獣人のふくよかで女性らしい曲線に、ボリューミーなモコモコの毛並み。二つの無防備な裸体が、夕陽の差し込む温室の中で眩しく並んでいた。


「あ、あのね……いくら女子同士とはいえ、少しは隠すとか……」


 中身が男である俺は、突然のダブルヌードに動揺して目を泳がせた。

「え? どうしてですか? 私たち、いつもお互いの部屋で裸になって、くっついて寝てるから、全然恥ずかしくないですよ?」

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