↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が勇者パーティから追放されました ー王国の勇者から民衆の勇者として旅をしますー  作者: ぶっくん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
64/118

第64話 死者の谷の霧

キースがそっと部屋に入ってきた。

「見張りは完了した。城の周囲に不審な動きはない」


「ありがとう、キース」

レオンが振り返った。


「明日からが本当の戦いだ。今までのすべては、そのための前哨戦に過ぎなかった」


キースは片目を細めて窓の外を見た。


「谷の霧は、自然のものではない。魔術がかかっている。千年も保つ魔術だ」


「機械魔術師の防御手段か…」


「ああ。だが、どんな魔術にも、弱点はある」


レオンは革の筒を手に取り、中から財務卿の不正の証拠文書を取り出した。


薄い羊皮紙に記された数字と記録は、どれもが民衆から搾取された富の痕跡だった。


「我々は、ただ戦っているのではない。真実のために戦っている。この文書も、廃鉱山で見た機械も、すべては大きな真実の一片だ」


キースは無言でうなずいた。

彼は言葉少ない男だが、その沈黙には仲間たちへの信頼と、任務への確信が込められていた。


ドアがノックされ、アーサーとガレスが入ってきた。


「明日の準備は整った」

ガレスが言った。

「武器も鎧も、最高の状態だ」


アーサーは杖を軽く床に叩きつけた。


「霧に対する対抗呪文もいくつか準備した。だが、千年の魔術には、どれほど効果があるか……」


「我々はもはや、4人の民衆勇者だけではない」

レオンが静かに言った。


「真実を求める者たちの連合だ。明日、死者の谷で何が待ち受けていようと、我々は立ち向かう」


4人は固い決意を胸に、それぞれの部屋へと散った。

城塞の外では、冷たい風が山々を渡り、遠くで狼の遠吠えが聞こえた。


東嶺の夜は深く、星々がきらめいていた。

その星明かりの下、古代の秘密と王国の運命を握る戦いの舞台が、静かに準備されていた。


そして夜明けと共に、真実を求める者たちの、最も危険で重要な旅が始まるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。