表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が勇者パーティから追放されました ー王国の勇者から民衆の勇者として旅をしますー  作者: ぶっくん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/96

第49話 廃鉱山へ突入

一行は城塞を後にし、険しい山道を廃鉱山へと向かった。


道中、キースの鋭い観察眼とアーサーの探知魔法が何度も役立った。


巧妙に隠された落とし穴、木の陰に仕掛けられた警報の細い糸、遠方から監視しているらしい気配……金歯車傭兵団は、確かに尋常ならざる訓練を受けた集団だった。


廃鉱山の入口は、山腹にぽっかりと口を開けた暗い穴のように見えた。

崩れかけた支柱が、かつての採掘の歴史を物語っている。


キースが手を挙げて止まった。

彼は地面に蹲り、土を指でつまんだ。


「……最近の足跡。10人以上。中に入ったきり、出てきていない。」


グスタフ男爵が戦槌を構えた。


「我が兵は入口を封鎖し、逃げる鼠を捕らえる。お前たち4人と我で、中へ突入する。問題あるか?」


レオンは仲間たちの顔を見た。


ガレスは獰猛な笑みを浮かべ、アーサーは静かに目を閉じて集中を高め、キースはすでに矢を弦に番えていた。 

「問題ありません」

レオンが剣を抜いた。

「民衆勇者、突入します。」


鉱山の内部は、思った以上に広かった。


坑道はいくつにも分岐し、ところどころに掘り残された鉱脈が不気味な光を放っていた。


彼らが慎重に進むと、突然、前方から話し声が聞こえてきた。

「……次の『納品』はいつだ?」


「あと3日後だ。だが、あの『歯車』の調子が悪い。無理やり動かせば、また『暴走』するぞ。」


「ふん、ここの鉱石で補修しろ。殿下は待っておられん。」


殿下? レオンの耳が研ぎ澄まされた。

財務卿のさらに上か?


その時、アーサーが杖を強く握りしめた。 


「レオン! 前方、大量の生命反応! しかも……人間だけではない! 何か、歪なものが混じっている!」


アーサーの警告と同時に、坑道の奥から、重く不規則な金属音が響いてきた。


カチャ……ガシャ……カチャ……それは、人間の足音とも、機械の音ともつかない、不気味なリズムだった。


グスタフ男爵の顔が強張った。


「……来たな。金歯車の『駒』だ。」


次の瞬間、坑道の曲がり角から、それは現れた。


人間の兵士たち――金歯車からの傭兵たちだ。


しかし、彼らの前に立つのは、普通の兵士ではなかった。


鎧をまとってはいるが、その動きはぎこちなく、関節からは蒸気のような白い噴気が漏れている。


そして、その顔……ヘルメットの隙間から覗く目は、虚ろで、焦点が合っていない。

まるで、操り人形のようだった。


その「兵士」たちの胸には、焼け跡の村で見たものと同じ、歯車と双頭の鷲の紋章が刻まれていた。


「あれは……」

レオンの声が詰まった。


グスタフ男爵が、怒りと苦渋に満ちた声で言った。


「……わしが、まだ語らなかった『真実』の一端だ。金歯車傭兵団は、単なる傭兵ではない。奴らは、生身の兵士と、この……『機造兵ギーベンツォイク』を混成させている。あの紋章は、王都のとある『工房』のものだ」


機造兵ギーベンツォイクが、ぎくしゃくと剣を構えた。

その背後で、普通の傭兵たちが嘲笑う。


「見ろよ、山の野蛮人どもが、おもちゃに驚いてるぜ!」


「さあ、鉄槌のグスタフ! 今日こそ、お前の城を我々の『工房』にしてみせる!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ