第40話 辺境伯爵との対面
3日後、辺境伯爵の城塞が目の前に現れた。
灰色の石造りの城壁は、長年の風雪に耐えてきたことを物語っていた。
城塞の門がゆっくりと開き、1人の騎士が現れた。
辺境伯爵の紋章が刻まれた鎧を身に着けたその騎士は、手にした巻物を広げて読み上げた。
「財務卿からの伝言があった。
「『温情は無用である。証拠と称するものは全て偽造の可能性あり……』」
その言葉が終わらないうちに、城壁の門から新しい声が響いた。
「待っていた」
辺境伯爵ヴァイダー卿自身が現れた。
齢五十を過ぎたと思われるその男は、鋭い眼光で4人を見下ろした。
彼の顔には長年の戦いの傷が刻まれており、鎧も何度も修復された跡があった。
騎士は驚いて伯爵を見たが、ヴァイダー卿は手を上げて彼を制した。
「財務卿の伝言など、聞くに値しない。私は自分の目で真実を見極める」
レオンは前に進み出て、深々と頭を下げた。
「辺境伯爵ヴァイダー卿、我々は重要な証拠をお届けに参りました。これが王国の真実です」
そう言って、彼は胸にしまっていた証拠書類を取り出した。
羊皮紙にびっしりと書かれた財務卿の不正取引、賄賂の記録、陰謀の計画、すべてが詳細に記されていた。
ヴァイダー卿は細い目をさらに細め、しばらく沈黙した後、ゆっくりとうなずいた。
「中に入れ」
門が完全に開かれ、4人は辺境伯爵の城塞へと招き入れられた。




