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勇者が勇者パーティから追放されました ー王国の勇者から民衆の勇者として旅をしますー  作者: ぶっくん


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第30話 氷の闇に潜む真実

「囚人労働だけではない」

キースが鋭く目を細めた。

「あの積まれている箱を見よ。ツルハシで掘っているのは……氷結晶の原石だ」


フロスト・ケイブ鉱山は、かつては魔力を帯びた氷結晶の貴重な産地として知られていた。


しかし、乱掘により鉱脈は枯渇し、20年前に閉山されたはずだった。


だが、この光景は、秘密裏に採掘が続けられ、その莫大な利益が、公爵とその一派の懐に流れていることを物語っていた。


囚人たちは、ただ安価な労働力であるだけでなく、この秘密を墓場まで持っていく「消耗品」でもあった。


怒りが、レオンの胸を熱くした。

かつて勇者として守ると誓ったこの王国の法と正義が、ここでは完全に踏みにじられている。

彼は拳を握りしめ、指の関節が白くなった。


「計画を変えよう」

レオンが静かに言った。

「当初は囚人たちを解放し、証拠を集めて王国に暴露するつもりだった。だが、これほど深い闇が関わっているなら……単なる解放では終わらない。証拠が消され、我々も消されるだけだ」


「同意見だ」

ガレスが低く唸った。

「公爵が関わっているとなれば、これは単なる鉱山の不正ではない。王国の根幹を蝕む背任だ」


老魔術師アーサーは、冷徹な目でテントと衛兵の配置を観察していた。  

「直接的な戦闘は無謀だ。衛兵の数は多く、訓練されている。我々に勝ち目はない。証拠を集め、生きてこの地を脱し、真実を公に曝す必要がある。でなければ、この真実は闇に葬られてしまう」


キースが、鉱山内部の詳細な見取り図を頭の中で描きながら言った。


「正面からの潜入は不可能だ。あの見張り台からは死角がない。だが、西側の崖を見てくれ。氷の侵食で裂け目ができている。そこからなら、内部に進入できるかもしれない。我々が来た道だ。そして……あの廃坑の坑道を見ろ。崩落の危険があるからと封鎖されているが、衛兵の配置が薄い。あそこが弱点かもしれない」

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