第27話 ベルガン男爵
1週間後、鉱山再開の準備が整い始めた頃、ベルガン男爵からの返答が届いた。
領主は「興味がある」と言い、4人を城に招いた。
ベルガン男爵の城は、領地の貧しさとは不釣り合いな豪華さだった。
大理石の柱、金箔の装飾、ぜいたくな絨毯。
すべてが過酷な税徴収で賄われていたのだ。
謁見の間で、ベルガン男爵は肥満した体を玉座に沈めて4人を見下ろした。
「鉱山再開の提案か。面白い……だが、なぜ私が旅人たちの提案を聞く必要がある?」
レオンは一歩前に出た。
「領主様、私たちは単なる旅人ではありません。私たちは民の声を届ける者です。現在の方法では、領地は長続きしません。民が滅びれば、領主も滅びます」
男爵は嘲笑った。
「感傷的な理想論だ。力ある者が弱き者を支配する。これが世の常だ」
「かつての私もそう信じていました」
レオンの声に熱がこもった。
「魔王を倒し、怪物を討伐し、力こそがすべてだと。しかし真の力とは、民を守り、導くことです。領主様、共に新しい道を歩みませんか?鉱山の収益の三割を税として納め、残りで村を再建する。そうすれば領地は豊かになり、真の尊敬を得られるでしょう」
長い沈黙が続いた。男爵の顔にさまざまな感情が去来した。
傲慢、怒り、疑い、そしてわずかな……後悔。
「……試してみる価値はあるかもしれない」
男爵はようやく言った。
「だが、失敗した場合の責任はすべてお前たちが取る」
「承知しました」
レオンは深く礼をした。
城を出た4人は、再び街道を歩き始めた。
次の目的地へ。
別の苦しむ村、別の不正へ。
ガレスが笑いながら言った。
「あの男爵、最後には少しだけ人間らしい顔をしていたな」
アーサーがうなずいた。
「誰にも変わる機会はある。それを見極め、導くのが我々の役目だ」
キースは地平線を見つめながら言った。
「次はどこだ?」
レオンは地図を広げ、新たな目的地を指さした。
そして仲間たちを見渡し、確信に満ちた声で言った。
「どこに必要とされようと、そこへ行く。これが我々の旅だ。『民衆の勇者』としての」




