第21話 鉱山町への潜入
1週間後、4人は鉱山町の外れに到着した。
町は不自然な活気に満ちていた。
酒場からは騒がしい笑い声が聞こえ、安宿には商会の私兵らしき男たちがたむろしている。
しかし、その裏路地では、うつむき加減で歩く労働者たちの姿があった。
彼らの目には輝きがなく、動作は鈍かった。
アーサーが小声で言った。
「あの労働者たち……確かに何かの薬に侵されている。魔術的な波動を感じる」
キースが片目を細め、遠くの見張り台を凝視した。
「見張りは3人。交替は2時間ごとだ。隙はある」
ガレスは斧の柄を握りしめた。
「正面からぶつかるか?」
レオンはゆっくりと首を振った。
「まずは情報を集めよう。老人の孫、マルコを見つけることから始める」
4人は労働者の服を調達し、鉱山への労働者グループに混ざって潜入した。
坑道の中は、魔鉱石の不気味な青白い光で薄明るく照らされていた。
空気は粉塵で濁り、変な甘い匂いが漂う。
「これが……魔鉱石の粉塵か」
アーサーが呟く。
「長期間吸い込めば、確実に肺を蝕む。そしてこの甘い匂い……禁術で作られた依存性の薬が空気中に混ざっている可能性がある」
突然、坑道の奥から怒鳴り声がら聞こえた。
4人が影に身を潜めると、私兵らしき男が少年の襟首をつかんで引きずっているのが見えた。
少年は痩せこけ、目は虚ろだった。
「マルコという名だったな?お前の祖父が余計なことを言いふらしたそうだな!」
レオンの目が光った。
ガレスが無言で斧を構えようとするのを、レオンが手で制した。
まだ時期ではなかった。
私兵は少年を連れて行った。
アーサーが杖をかすかに震わせ、微かな光の粉が少年の服に付着した。
「追跡の術をかけた。あの少年が連れて行かれる場所がわかる」




